「実は私も発達障害?」そう考える人が増えている。精神科医・産業医の久米康宏氏(クメンタクリニック院長)は、発達障害は決して「悪いこと」ではないと強調する。
発達障害による特性は、脳の機能的な違いによる「個性」や「特徴」にほかならない。世の中にはさまざまな人がいて、考え方や性格、好きなこと、得意なこと、苦手なこともみな異なる。発達障害の人たちの特性もまた、こうした違いの一つだと久米氏は述べる。
最も重要なのは二次障害を防ぐこと
発達障害は脳の個性だが、同じような特性を持つ人が少ないため、「常識から外れている」「変わっている」というイメージを持たれやすい。その特性が「困りごと」として日常生活や仕事に支障をきたすことも多い。
例えば、大事な仕事に遅れる、大切なものを失くす、仕事が進まなくなる、周囲に迷惑をかけたり傷つけたりする、自分の健康に支障をきたす――。こうしたことが重なると、人間関係につまずいたり、仕事がしにくくなったりする。何より、自分自身が強いストレスを抱え、眠れなくなったり体調を崩したりする可能性がある。
こうした発達障害が要因で生じる問題全般を、医学的には「二次障害」と呼ぶ。ひどくなると、うつ病や不安症、適応障害などの精神疾患の発症、アルコールやギャンブルへの依存、自傷行為などにつながることもある。久米氏は「何よりも防がなくてはならないのが二次障害」と強調する。
ストレスを抑える工夫が必要
二次障害を起こさないためには、ストレスを最小限に抑えながら働くための工夫を自身で行うことが重要だ。まず自分の特性を理解した上で、働き方や環境を整えていく必要があると久米氏は指摘する。



