2026年6月8日から9日にかけて、中国の習近平国家主席が北朝鮮を国賓として訪問した。7年ぶりの平壌訪問であり、今年初の外国訪問先が北朝鮮となったことについて、北朝鮮は高く評価している。朝鮮中央通信(日本語版)は6月9日、金正恩朝鮮労働党総書記が「総書記同志が今年の初の外国訪問として平壌を選択したのは、朝中友好に対する最高の重視の表れであり、わが人民に対する最大の支持となる」と述べたと報じた。
中朝首脳会談の核心
首脳会談では、両国が「自主と正義のための歴史の正しい側に常に共に立っており、いかなる国際情勢の激変の中でも歴史の検証を受けた朝中友好関係がどんなに強固であるのかを改めて誇示する重要な契機になる」との認識で一致した。作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は、この発言を「第三国との関係変化が中朝関係に悪影響を及ぼさないという『協商』(アンタント)が成立した」と分析する。
過去7年間で国際情勢は大きく変化した。2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻、2023年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃、さらに2026年2月28日の米国とイスラエルによるイランの最高指導者アリ・ハメネイ師殺害など、武力による懸案解決が常態化している。北朝鮮はロシアに兵員を派遣し、朝ロ関係は質的に強化された。一方、2026年5月14日から15日にかけての米中首脳会談では、習近平氏とトランプ大統領が二国間関係を安定させることに合意した。
朝鮮半島情勢の変化
佐藤氏は「韓国に中国が事前の根回しを始めているのかもしれない」と指摘する。中朝首脳会談の内容は、朝鮮半島を巡る安保情勢に変化をもたらす可能性がある。社会主義というイデオロギーで結び付いた中朝関係は、米韓との関係にも影響を及ぼすとみられる。
今回の首脳会談は、北朝鮮が2026年5月の米中首脳会談後に中国との結束を再確認する形となった。米国と中国が二国間関係を安定させる一方で、中朝は伝統的な友好関係を堅持する姿勢を示した。佐藤氏は「武力による懸案解決が常態化する国際情勢の中で、中朝両国は互いの重要性を再確認した」と分析する。
北朝鮮はロシアとの関係強化も進めており、朝ロ関係は質的に変化した。これに対し、中国は北朝鮮との伝統的な友好関係を維持しつつ、米国との安定した関係も模索する複雑な外交戦略を取っている。朝鮮半島の安全保障環境は、中朝米韓の四者関係が絡み合い、新たな局面を迎えている。



