南米アルゼンチンの極右ハビエル・ミレイ大統領は21日、訪問先のスペインの首都マドリードで、同国の左派・社会労働党を率いるペドロ・サンチェス首相を「独裁者」と呼び、次期総選挙での政権交代を有権者に呼び掛けた。
スペイン政府が反発
これに対しスペイン政府は「外国からの干渉、攻撃、侮辱」だと反発した。ミレイ氏が宿敵サンチェス氏を攻撃するのは今回が初めてではない。
ミレイ氏はマドリードで開かれた経済フォーラムで、「皆さんは恥ずべき独裁者、ペドロ・サンチェスの下で苦しんでいる」と主張。さらに「社会労働党を追い出せ。皆さんの国は自由主義の発祥地なのだから」と訴えた。
総選挙を前に政権存続の危機
サンチェス氏は、ドナルド・トランプ米大統領やイスラエルとの対立などを通じ、世界的に注目される左派の期待の星となった。だが、11月29日の総選挙を前に、8年間続いた政権は存続の危機に直面している。
総選挙では、中道右派の最大野党・国民党(PP)が第1党となるものの過半数には届かないと予測されており、極右政党「ボックス(VOX)」が次期政権樹立の鍵を握る可能性がある。
汚職疑惑を巡る対立
ミレイ氏はサンチェス氏を「泥棒」「汚職政治家」とも呼んだ。サンチェス氏は、親族や社会労働党の元幹部らが関与する汚職疑惑の捜査への対応に追われている。サンチェス氏は一貫して、政権の清廉性と党資金の出所に問題はないと主張している。
スペイン外務省は、ミレイ氏の呼び掛けを「外国からの干渉、攻撃、侮辱」であり、「暴力行使の呼び掛け」だと非難した。同省は声明で、「友好国の最高位にある人物が、分断と暴力を助長することだけを目的にわが国を訪れるのは恥ずべきことだ」と述べた。