発達障害の特性によりいじめを受け、私立中学を退学した安田さん。2浪の末に大学へ進学し、その後、入社4カ月でうつ病を発症して退職。学習塾「キズキ共育塾」を立ち上げ、現在は卒業生1万4000人以上を輩出するまでに成長した。安田さんは「浪人のときに経験した2年間が、自分の基準になっています」と語る。
発達障害といじめ、私立中学を退学
安田さんは高校時代、金髪にピンクのベスト姿でカメラをにらむような外見だった。しかし、発達障害の特性が関連して、入社4カ月でうつ病を発症し退職。「人の下で働けないなら起業するしかない」と学習塾「キズキ共育塾」を立ち上げた。
「会社を退職したあと、ずっと家にいました。1年間引きこもっていましたが、何も食べられなくなって体重が45キロまで落ちました。でも、最初に生徒が来てくれたとき、メンタルが回復し始めました。あのときの感覚が今の仕事の原点です」
「もう一度勉強したい」塾の生徒は1000人以上に
「キズキ共育塾」では、不登校や発達障害、グレーゾーンといった生徒のほか、うつを抱える人や社会人の学び直しを完全1対1の個別指導でサポートしている。塾の卒業生は1万4000人以上にのぼり、現在も1000人以上の生徒が在籍する。
「この塾を立ち上げるとき、不登校で学校に行けていない人の悩みに思いを巡らせたのですが、『普通の塾に通うと、学校の授業の進度から遅れていることが怖いだろう』ということや、『学校に行っていない人はメンタルが弱っているからメンタル面のサポートも必要だろう』ということなどに思いが至りました」
「私自身、浪人して初めて予備校に行ったら、最初の授業で先生が言っていることが一ミリもわかりませんでした。見た目は金髪でそんな風には見えなかったと思いますが、内心は先生に当てないでほしい、バカだとバレるのが怖い、という気持ちでした。そこで感じたことが、今の塾経営につながっています。会社の経営はしんどいこともありますが、浪人のときに経験した2年間が、自分の基準になっています。1日13時間勉強した2年間に比べたら、どんな努力も楽勝だと思えるので、頑張れています」
安田さんの言葉には、2浪の2年間が、今もリアルに生き続けていることが伝わってきた。



