連載『海外大学進学大全』より、教育ジャーナリストの松田悠介氏が、日本の高校生が偏差値だけで大学を選ぶことの危険性を指摘する記事を掲載。松田氏は、日本の大卒初任給が海外と比較して4倍もの差があることを示し、グローバルな視点を持たない選択が将来の収入に大きな影響を与えると警告する。
初任給の国際比較
松田氏によると、日本の大卒初任給は平均約20万円程度であるのに対し、アメリカでは約80万円、シンガポールでは約60万円と、日本の4倍から3倍の開きがある。この差は、単に為替レートの問題ではなく、労働市場のグローバル化や産業構造の違いに起因する。特にITや金融分野では、海外の新卒給与が日本を大きく上回る。
「偏差値だけで大学を選ぶと、国際競争力を身につける機会を逃す」と松田氏は述べる。日本の大学教育は、英語での授業や海外インターンシップの機会が限られており、卒業後のキャリアに直結しないケースが多い。
偏差値偏重のリスク
日本の高校生は、進学先を決める際に偏差値やブランド名を重視する傾向が強い。しかし、松田氏は「偏差値の高い大学を出ても、グローバルな市場で通用するスキルがなければ、初任給の低さに甘んじることになる」と警鐘を鳴らす。特に、AIやデータサイエンスなどの成長分野では、海外の大学が提供する実践的なカリキュラムが優位に立つ。
実際、海外大学を卒業した日本人学生の初任給は、国内大学卒業生の平均を大きく上回るケースが報告されている。
グローバル人材の必要性
松田氏は、日本企業の海外進出が進む中で、グローバルに活躍できる人材の需要が高まっていると指摘。しかし、国内大学の教育は依然として内向きであり、学生が海外で学ぶ機会を積極的に模索すべきだと主張する。
「日本の大学だけが選択肢ではない。海外大学への進学は、初任給だけでなく、キャリアの選択肢を広げる」と松田氏は強調する。
具体的なデータと提言
記事では、OECDのデータを引用し、日本の大卒者の生涯賃金が主要先進国の中で最低レベルにあることも紹介。松田氏は、高校生や保護者に対して「偏差値だけでなく、教育内容や国際的な評価、卒業後の進路を総合的に判断するべき」とアドバイスする。
また、政府や教育機関に対しては、グローバル教育への投資拡大や、海外大学との連携強化を求めている。



