官民で3兆円、半導体産業再生へ
政府は半導体産業の復活に向け、官民合わせて約3兆円の投資計画を策定したことが、複数の政府関係者への取材で明らかになった。2028年度までに最先端の半導体を国内で生産できる体制を整えることを目標としている。
経産省が主導、補助金と税制優遇
経済産業省が主導するこの計画は、補助金と税制優遇措置を組み合わせたもので、国内の半導体メーカーや研究機関への支援を強化する。具体的には、先端ロジック半導体の製造拠点設立や、パワー半導体、センサーなどの分野での技術開発が対象となる。
政府は、半導体の安定供給を確保し、経済安全保障の観点からも重要と位置づけている。半導体は自動車や家電、スマートフォンなど幅広い産業に不可欠であり、近年の供給不足が経済に大きな影響を与えたことから、国内生産体制の強化が急務となっている。
台湾TSMCの工場誘致も視野
政府は台湾の半導体大手TSMCの工場誘致も視野に入れており、すでに熊本県に工場建設が決定している。今回の投資計画には、こうした海外企業の誘致や国内企業との連携強化も含まれている。
経産省幹部は「半導体は国家戦略上の重要物資。官民一体となって投資を拡大し、国際競争力を取り戻したい」と述べている。
2028年度までに最先端品の国産化
計画では、2028年度までに最先端の半導体を国内で生産可能にすることを目標に掲げる。これにより、海外からの供給途絶リスクを低減し、日本の産業競争力の強化につなげる狙いだ。
投資総額の内訳は、政府が約1兆円、民間が約2兆円を見込んでいる。政府は2023年度補正予算や2024年度当初予算に必要な経費を計上する方針。
専門家の見方「実現には課題も」
半導体業界の専門家は「巨額の投資は評価できるが、人材育成や技術開発のスピード感が課題だ」と指摘する。また、国際的な半導体市場の動向や、他国との競争激化も考慮する必要がある。
政府は今後、専門家や産業界の意見を聞きながら、具体的な支援策を詰める方針。半導体産業の復活は、日本の経済成長の鍵を握る重要なテーマとなっている。



