政府はアニメやゲームなどのコンテンツ産業を国主導で振興するため、新たに司令塔組織を設ける方向で検討に入った。認可法人を設立し、シンクタンク機能や補助金などの予算執行を一元化する方針だ。複数の政府・与党関係者への取材でわかった。
新組織の概要と設立時期
政府は今年度中にも設立に向けた議論を加速させ、来年の通常国会に法案を提出することをめざす。新たに設立する認可法人には民間から人材を集め、トップにも民間から招く方向。主な所管官庁は内閣府となる見通しだ。
政府は6月に策定した知的財産推進計画で「予算配分の全体最適化や予算執行の一元化、官民の叡智の結集に向けて一気通貫の新たな支援体制の構築」と明記しており、法人の新設はこれを具体化するための案となる。
成長戦略における位置づけ
高市政権はコンテンツ産業を成長戦略で重視する17分野に位置づける。日本のコンテンツの海外売上高は約6兆円だが、33年に20兆円にする目標を掲げ、官民で34兆円を投資する計画だ。関係者によると、この分野の政府の支出は今後5年間で年間1千億円超となる見込みだ。
韓国では、韓国コンテンツ振興院(KOCCA)という組織を通じて、コンテンツ産業の海外展開を支援しており、政府もこうした仕組みを参考にする考えだという。
クールジャパン機構の廃止と課題
一方、コンテンツ産業の支援をめぐっては、経済産業省が所管するクールジャパン機構(CJ機構)が540億円の累積赤字を抱え、廃止する方向で調整している。CJ機構は2013年に設立され、コンテンツ政策の司令塔機能を期待されたが、事業選定の「目利き力」不足などから収益化に苦戦し、役割を果たせなかった。
旗振り役としての政府の能力・役割に疑義が生じるなか、新組織構想に国民の理解が広がるかは見通せない。



