制度が支える挑戦の第一歩
子ども向け体験学習サービスと鉄道・バスを組み合わせた新規事業に取り組んだ40代の男性は、会社の新規事業募集制度がきっかけだったと語る。しかし制度があっても当初は「今やるべき仕事なのか」「本業に集中すべきではないか」といった空気を感じたという。自身も「目立つタイプ」ではなく王道のキャリアを歩んできた一人で、新規事業は一部の特別な人がやるものではなく、誰でも悩みながら手探りで始めるものだと実感している。
重要だったのは個人の熱意以上に、「会社として認められた挑戦である」という前提があったこと。新規事業支援制度のおかげで、すぐに成果を求められるのではなく、試行錯誤しながら周囲と対話を重ね、共通認識をつくる時間が確保された。制度は挑戦者を特別扱いする仕組みではなく、普通の社員が一歩踏み出し続けるための「土台」として機能したという。
経営者視点を養う実践の場
協業支援事業と自動車の分野で活動する30代の男性は、社内起業制度が経営者視点を獲得する上で大きな役割を果たしたと振り返る。社内の新規事業提案制度を活用し、2年連続でグランプリを獲得し数千万円の予算を得た経験は、単なるアイデア実現にとどまらず、組織を動かし資源を獲得し事業を推進する力を身につける機会となった。
社内での新規事業立ち上げは、外部での起業やビジネスコンテストと異なり、既存の組織や文化の中でどう価値を創出し周囲を巻き込むかが問われるため、経営者としての視点やマインドセットが自然と養われたという。「社内起業制度は、私にとって経営者としての視点を獲得するための実践の場であり、組織の中で新たな価値を創造する力を培う貴重な機会でした」と述べている。



