「今日も仕事が終わらなかった」──働き盛りのビジネスパーソンの中には、そんな悩みを抱える人も少なくない。実行管理コンサルタントの佐藤彰太氏は、仕事が終わらない原因は「計画・着手・完遂」のいずれかのステップにあると指摘する。今回は佐藤氏の著書『絶対に「終わらせる」時間術』から、第1段階の「計画」に焦点を当て、計画通りに仕事を終わらせるための時間管理の考え方を紹介する。
「優先順位が曖昧」を突破する技
誰もが経験したことがあるだろう。仕事をしている最中に、変則的に別の案件が発生することがある。上司から急ぎの仕事を振られる、クライアントから急に呼び出される、予定外の打ち合わせが入る──などだ。
現実的に考えると、急ぎの仕事を断るのは難しい。本当に予定がぎっしり埋まっているならともかく、上司からの仕事を断って、1日3タスクを計画通りに終えて定時に退社するのは、なかなか考えづらい。
2段階の対応策
そこで佐藤氏は、2段階の対応を提案する。第1段階としては「いったん引き受ける」ことだ。1日の計画は崩れるかもしれないが、優先順位を入れ替えざるを得なかったと割り切る。しかし、そのまま何も手を打たなければ、またいつ急な仕事を振られて計画が頓挫するかわからない。そこで第2段階として、今後は自分が計画したタスクを最優先できるよう「予防線」を張っておく必要がある。
「便利な人」にならない
予防線の一つが、「便利な人」にならないことだ。周囲から「あの人に頼めばすぐやってくれる」と思われてしまうと、急な依頼が集中する。佐藤氏は、自分の時間の使い方に主導権を持つことの重要性を強調する。「やらないことリスト」を作り、自分がすべきでないタスクを明確にすることで、計画の崩れを防ぐことができる。
「やらないことリスト」の利点
「やらないことリスト」を作る利点は、優先順位を明確にし、無駄なタスクを排除できる点にある。佐藤氏によれば、多くの人は「やるべきこと」だけをリストアップしがちだが、実際には「やらないこと」を決めることで、時間の使い方が劇的に改善されるという。例えば、メールのチェックは1日2回だけにする、会議は必要最小限にするなど、具体的なルールを設定することで、計画的な時間管理が可能になる。
何がタスクを阻害しているのか
計画通りに仕事が進まない原因は、外的要因だけでなく、自身の行動パターンにもある。佐藤氏は、タスクの阻害要因として「割り込み仕事」「完璧主義」「先延ばし」の3つを挙げる。特に割り込み仕事は、計画を大きく乱す要因となる。これに対処するには、自分の時間をブロック単位で管理し、その時間帯は割り込みを許可しないというルールを設けることが有効だ。
時間の使い方の主導権を持つ
最終的に重要なのは、時間の使い方の主導権を自分で握ることだ。佐藤氏は、「他人の都合に振り回されるのではなく、自分の優先順位に基づいて行動することが、仕事を時間通りに終わらせる鍵」と述べている。計画性だけでは不十分で、予期せぬ事態への柔軟な対応と、予防策を組み合わせることが求められる。



