米イランの応酬で原油先物価格が急騰
原油の先物価格が再び上昇基調にある。米国とイランが戦闘終結に向けた覚書に署名した6月中旬以降は下落していたが、ホルムズ海峡の通航を巡る両国の対立激化が市場を揺さぶっている。米国は7月7日、ホルムズ海峡付近でタンカー3隻を攻撃したとしてイランへの空爆を実施。イランもペルシャ湾岸諸国にある米軍施設に対して報復攻撃を行った。ロイター通信は9日、攻撃の応酬による緊張の高まりにより、海峡のタンカー航行がほぼ停止したと報じた。
WTIとブレント原油が急反発
この状況を受け、代表的な指標であるテキサス産軽質油(WTI)は8日に一時、前日終値比8%上昇し、6月下旬以来約2週間ぶりの高値となる1バレル=76ドル台を記録。また、欧州中心に取引される北海ブレント原油も、1バレル=72ドル程度から8日には一時80ドル台へ急上昇した。
代替調達の進展が価格上昇を抑制
しかし、市場関係者の間では「今後の価格上昇は限定的」との見方が多い。その理由は、ホルムズ海峡が事実上封鎖されていた約3か月間、原油の輸入国が代替調達を積極的に進めたためだ。中東産原油への依存度が低下し、市場影響力は以前より弱まっている。中長期的には、代替調達の定着により原油価格は下落傾向に向かうとの分析もある。
ロンドンのアナリストは「今回の価格上昇は短期的なショックに過ぎない。供給源の多様化が進めば、中東情勢の影響は徐々に薄れるだろう」と指摘する。



