「おもちゃ屋で売れず書店で即完売」累積赤字8000万円のパズル玩具LaQ、奈良の山奥から世界28カ国へ
累積赤字8000万円のLaQ、奈良の山奥から世界28カ国へ

「パチッ」「カチッ」――子ども達が軽やかな音を立てて、思い思いの形を組み立てる。恐竜、寿司、カレーライス、ケーキ、手鏡。7種類のパーツを組み合わせるパズルブロック「LaQ」は、平面から立体、幾何学体まで無限の形を生み出す。カラーは基本13色。パーツを合わせると「パチッ」、外すときは「カチッ」と気持ちのいい音がする。

おもちゃ屋で売れず、書店で即完売

LaQは奈良県吉野町の山奥で生まれた。開発元のヨシリツは、もともと木工製品を手掛ける企業だった。パズルブロックの開発に乗り出したものの、当初はおもちゃ屋での販売が振るわず、累積赤字は8000万円に達した。転機は書店での販売だった。書店に置いたところ即完売。口コミで広がり、現在は世界28カ国に輸出されるヒット商品に成長した。

保育園や学童で集中力を育む

LaQは子どものおもちゃの枠を超え、保育園や小学校、学童などで広く導入されている。開発部課長の永井雅彦さんは「保育園や学童などで多く導入いただいています。子ども達の集中力がすごいと好評です。先生からは『いつも走り回って落ち着かない子どもが、LaQを前にすると1時間でも2時間でも集中するんです』とのお声をよくいただきます」と語る。

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空間認知能力と数学力の向上

遊ぶうちにさまざまな“力”が育まれるという。イベント事業部の米屋有朗課長代理(LaQハカセ・ブルー)は「親御さんから、『空間認知能力が育まれている』との声を多く聞きます。本などで完成図を見ながら組み立てに挑戦する子も多いのですが、表側だけを見て裏側は想像で組み上げてしまうお子さんもいます。まだ5歳くらいの子どもでもできるんです。左右対称や立体の感覚を、遊びながら自然と理解しているんだと思います」と話す。

幼少期にLaQにハマった子が成長し、イベントに訪れることもある。米屋さんは「中学生や大学生になった子達の多くから、『数学が得意になった』との声を多く聞きます」と明かす。

奈良の山奥から世界へ

ヨシリツが「吉野で独立する」という思いで開発したLaQ。累積赤字8000万円という苦難を乗り越え、今では世界28カ国で親しまれている。集中力、空間認知能力、数学的思考――遊びながら自然と身につく力が、教育現場でも注目を集めている。

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