Meta(旧Facebook)が運営する短文投稿アプリ「スレッズ(Threads)」が、サービス開始から3年を迎えた。運営責任者を務めるコナー・ヘイズ氏が読売新聞の書面インタビューに応じ、2000万人以上のユーザーを抱える日本市場での一層の事業拡大を目指す方針を明らかにした。
日本は米国外で最も重要な市場
ヘイズ氏は、スレッズのグローバル戦略における日本の位置づけについて、「米国以外で最も重要な国の一つ」と強調。ユーザー数でも最大級の市場であり、活発で独自性のあるコミュニティーが形成されていると評価した。さらに、日本は新機能の早期投入市場であり、広告テストでは米国以外で唯一対象となり、「話題のトピック」機能も米国に次いで2カ国目で導入されたと説明。現在の勢いに大きな手応えを感じており、日本市場でユーザー基盤の確立が着実に進んでいると述べた。
「会話の場」としてのスレッズ
日本のユーザーの特徴について、ヘイズ氏はスレッズが「つながるための場」として機能していると指摘。多くのSNSが受動的な閲覧を前提とするのに対し、スレッズは能動的な参加を前提に設計されており、その中核を担うのが「返信」機能だと語った。実際、スレッズ上の閲覧数の約半分は返信が占めており、人々が共通の関心事をめぐる会話を求めてプラットフォームを利用していることを示している。この傾向は日本でさらに顕著で、ユーザーは世界平均と比べて返信を見る割合が高く、会話の流れ全体を追い、参加していることがうかがえるという。
競合Xとの差別化と成長戦略
日本ではX(旧Twitter)のユーザーが多い中、スレッズがさらに成長するために必要なこととして、ヘイズ氏は「今まさに起きていることについて話す場所になること」を挙げた。スレッズは当初から会話を中心に設計されており、返信がその核となっている。同氏は「私たちはスレッズを、文化について語り合うための基盤に育てたい」と述べ、試合、フェス、ニュース、ミームなど、あらゆるコンテンツをめぐる会話がスレッズ上で交わされる状態を目指すと語った。成長の鍵は、即時性、関連性、コミュニティー性をさらに強化し、人々が参加するための最も自然で簡単な場にすることだと強調した。
日本の文化イベントとの連携
日本市場での具体的な取り組みとして、ヘイズ氏は特に文化的な大きな瞬間におけるスレッズの活用を挙げた。例えば「M-1グランプリ」や「NHK紅白歌合戦」などのテレビ放送時には、返信を通じて自然と会話が広がっており、これは非常に強いシグナルだと評価。こうした体験をさらに強化するため、エンターテインメントや音楽ファンのコミュニティーにも投資していると述べた。ライブの感想共有やコンサートチケットの入手方法などの実用的な情報交換、新たなつながりを探す動きが活発で、「話題のトピック」にもこうした傾向が表れているという。
偽情報対策と収益化の現状
偽情報や誤情報への対応については、ヘイズ氏は「深刻に受け止めている」と述べ、技術と人によるチェックを組み合わせた対策を実施。誤解を招く可能性が高いコンテンツの拡散抑制や、ユーザーが自身の体験を管理できるツールの提供を通じて、健全な公共の会話の場を目指すと語った。
収益化については、具体的な売上高や見通しは非公開としながらも、「まだ非常に初期段階」と説明。広告が会話の流れに自然になじむよう慎重に進めており、表示量を抑えつつ関連性を高める保守的な運用を行っている。MetaのAI広告システムを活用し、パーソナライズとブランドセーフティーを両立させ、ユーザー体験に価値を加える設計を目指すと述べた。
今後の展望:日常生活に欠かせない存在へ
日本におけるスレッズの将来像について、ヘイズ氏は「対話とコミュニティーを基盤とした独自のアイデンティティーと文化を築くこと」と語る。2026年後半に向けての方向性は明確で、リアルタイムのテキスト対話を通じて、人々が文化や共通の関心をめぐってつながる、日常生活に欠かせない存在になることを目指す。日本市場での現在の勢いに手応えを感じており、地域のコミュニティーや文化的状況を踏まえてこのビジョンを実現していくことに期待を寄せた。



