福島銀行は今年度、SBI新生銀行専務だった森田俊平氏を取締役副社長として迎え入れた。2019年の資本業務提携以来、SBIグループの持ち分法適用会社である同行には社外取締役が派遣されてきたが、今年度から常勤の取締役が派遣され、SBI新生銀行の持ち分法適用会社となったことで経営関与が一段と深まった。
「もったいない状況」からの脱却
森田氏は就任の経緯について「福島銀行の社外役員が交代するタイミングで、鈴木岳伯社長より『SBIから役員が派遣されて来るなら森田さんが一番いい』と指名をいただいた」と説明。自身もSBI新生銀行で公的資金の返済や上場といった区切りがついたタイミングだったため、次の挑戦として良い機会だと感じたという。
福島銀行の現状については「もったいない状況」と表現。一人ひとりは真面目で能力もあるが、全体として良い方向に結束できていないと指摘する。具体的には、対面営業と非対面営業の整合性が取れていないことや、キャンペーンで新規預金を獲得しても既存預金の流出防止策が不十分で、高金利預金が増える一方で低金利預金が流出し、預金残高が拡大せずコストだけが増加していると述べた。
預金減少と含み損拡大への対応
東洋経済の26年3月期決算集計によると、地銀全95行のうち福島銀行の預金減少率が最も高かった。森田氏は3月末に公金預金の金利が跳ね上がる中、戦略的に公金預金を取りに行かなかったと説明。その分を法人や個人預金でカバーできればよかったが、全体方針が明確でなかったと振り返る。
就任後まず取り組んだのは、「福島銀行としてこういう方針でいこう」というコンセンサスを作ることだと強調。自身の個人的な意見ではなく、皆が納得できる方向に持っていきたいと述べた。
森田俊平氏は1974年生まれ。98年ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)入社後、SBIホールディングス取締役、同CFO、SBI地銀ホールディングス代表取締役、SBI新生銀行専務などを経て、26年6月から現職。



