モスフードサービスが展開する「玄米食堂あえん」が、ハンバーガー事業に次ぐ新たな柱として静かに出店を進めている。同社のロゴを冠したこの定食店は、QRコード注文やセルフサービスを導入しつつ、調理には人手をかける独自の運営モデルが特徴だ。既存の定食チェーンである大戸屋などとの競争が予想される中、その狙いと魅力を探る。
QRコード注文とセルフサービスで省人化
東京都町田市の「町田パリオ店」を訪れると、テーブル席とカウンター席が並び、水やお茶はセルフで利用できる。注文はQRコードで完結し、ホールスタッフは1人で回していた。一方、厨房には複数のスタッフが配置され、調理に注力する体制が整っている。注文から6分で、玄米ごはん、みそ汁、主菜、小鉢が並ぶ定食が提供される。手間のかかる品数を短時間で出すには、厨房の人員体制が欠かせない。低投資・省人化と言っても、省くところと人を残すところを明確に分けている。
日常の一食を提供する定食屋
町田パリオ店では、満席の勢いではないものの、急ぐでもなく構えるでもなく、日常の一食を取る客の姿が見られた。自宅で用意するには手間のかかる一食が、駅前で短い待ち時間で出てくる点が選ばれる理由の一端だ。店頭には定食、丼、カレーなど、日常的な食事の選択肢として魅力的なメニューが掲示されている。
外食に求められるものが、特別な楽しみだけでなく日常を支える一食にも広がっているなら、ハンバーガーの会社がその需要を取りにいく理由はある。しかし、利益の出る事業として継続するには、立地や形態の検討が必要だ。現在は出店と閉店を重ねる段階にあり、町田の定食屋はその問いに対する一つの現在地と言える。



