松屋が松屋銀座に出店、デパ地下常設店の真の狙いとは
松屋が松屋銀座に出店、デパ地下常設店の狙い

2026年6月10日、松屋銀座の地下1階に「松屋PREMIUM 銀座店」がオープンした。牛めしチェーン「松屋」を展開する松屋フーズが、百貨店に出す初の常設店舗だ。「松屋銀座に松屋が入る」という一文で、この出来事はすでに見出しになる。同じ「松屋」という名を持つ百貨店と牛めしチェーン。偶然の同名コラボに見えるが、中身はそう単純ではない。

デパ地下に現れた「いつもの松屋」の新たな姿

売り場面積は5.05平方メートル、わずか1.53坪。黒い壁面に金色のロゴが映える小さな売り場は、松屋銀座の地下1階弁当・惣菜売り場にひっそりと、しかし確かな存在感を放って現れた。商品数は7品で、価格帯は1050円から2080円。これは、牛めしを高くしたものか、それともまったく別の何かか。答えを先に言えば、後者だ。松屋PREMIUMは「高級牛めし店」ではない。いつもの松屋を、デパ地下で売れる形に変えた新業態(中食)の1号店である。

オープン当日の様子

オープン当日の10時50分、松屋銀座に到着すると、地下1階の売り場前にはすでに行列ができていた。購入後に確認すると、30人ほどまで延びていた。もちろん、話題の新業態なのでオープン直後は視察に来ている様子見の人もいるが、並んでいる際に配られたメニュー表を片手にどれにしようかと楽しみにしている方がいたのを確認している。日頃から松屋銀座を利用している方に受け入れられているのだろうかと気になった。もしかしたら、最初は様子を見て落ち着いてから選ばれたりするのかしら、などと考えながら列に並ぶこと20分。開店直後にできた行列は、店前から階段でひとつ上の階をさらに超える人が集まっていた。

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松屋PREMIUMの商品ラインナップ

品揃えは7品。看板商品の「神戸牛牛めし」(1390円)は、牛肉を食べているという感覚を強く与える逸品だ。また、「創業ビーフRichカレー×黒毛和牛ハンバーグ」(1681円)は、中食ならではの難しさも見える。見た目と食べた後の印象に差があるという指摘もあるが、全体として高級感と松屋らしさを両立させている。

松屋フーズの新業態づくりの強さ

松屋フーズはこれまでも、さまざまな新業態を展開してきた。今回の松屋PREMIUMも、その一環である。外食チェーンの成長は店舗数だけではない。百貨店という新たなチャネルでの販売は、ブランド価値の向上や新規顧客の開拓につながる。特に「松屋」という同名の百貨店とのコラボレーションは、話題性が高く、集客効果も期待できる。

「松屋に松屋」という企画が人を引き寄せる

「松屋銀座に松屋が入る」というキャッチーなフレーズは、多くの人の興味を引いた。しかし、このプロジェクトの真の狙いは、単なる話題作りではない。デパ地下という高級感のある場所で、松屋のブランドを再定義し、中食市場での新たな需要を創出することにある。価格帯は通常の松屋より高いが、それに見合う品質と体験を提供することで、顧客の満足度を高めている。

今後の展開として、松屋フーズはこの新業態を他店舗にも広げる可能性がある。百貨店だけでなく、駅ビルや商業施設など、さまざまな場所で「松屋PREMIUM」の看板を見かける日が来るかもしれない。外食と中食の境界が曖昧になる中で、松屋の挑戦は続く。

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