林芳正総務相は、日本の美容産業を「J-Beauty(Jビューティー)」としてブランディングし、外貨獲得につなげる国策を推進している。林氏は「Jビューティーの伸びしろは和牛並みで、ものすごい係数になる」と述べ、業界規制の緩和に乗り出す方針を示した。
「バラバラ」からの脱却
化粧品、理美容、エステ、ネイルなど、これまで個別に扱われてきた美容関連産業を「Jビューティー」として統合し、海外市場に売り込む戦略だ。背景には、韓国のKビューティーの世界的な躍進がある。林氏は「日本の美のポテンシャルは非常に高いが、規制が厳しすぎて海外展開が進んでいない」と指摘する。
自民党内では「J-Beauty産業研究会」が発足し、林氏が代表世話人を務める。発足のきっかけは、長崎県選出の金子容三内閣府大臣政務官が地元の美容関係者から「Kビューティーに押されている」との相談を受けたことだ。金子氏は小林史明衆議院議員と連携し、当時官房長官だった林氏に持ちかけた。
省庁の「お見合い」を解消せよ
林氏は、農林水産相時代に日本食や農産品の輸出拡大に成功した経験を引き合いに、「美容産業も同じ構図だ。知ってもらえばすぐに伸びる」と語る。日本食の輸出は、取り組み開始後1.5倍、2倍、3倍と成長した。美容産業にも同様の効果を見込む。
しかし、美容産業は所管省庁が複数にまたがり、規制も業種ごとに異なる。林氏は「省庁間のお見合い状態を解消し、一貫した戦略を打ち出す必要がある」と強調。具体的には、化粧品の薬機法規制や理美容師法の見直しなど、業界から要望の強い規制緩和を検討する。
和牛並みの成長係数
林氏は「Jビューティーの伸びしろは和牛並み。和牛の輸出が急成長したように、美容産業もものすごい係数で伸びる可能性を秘めている」と述べ、輸出額で数倍から十数倍の成長を見込む。和牛の輸出額は2017年から2023年で約3倍に増加しており、Jビューティーも同様の軌道を描きたい考えだ。
林氏は1961年生まれ。東京大学法学部卒業後、三井物産に入社。ハーバード大学ケネディ行政大学院を修了し、1995年に参院議員に初当選。防衛相、農林水産相、文部科学相、官房長官を歴任し、2025年から総務相を務める。



