元JR東キハ40、タイで再デビュー!中古車両導入の舞台裏と5年の遅延理由
元JR東キハ40、タイで再デビュー!5年の遅延舞台裏

タイ国有鉄道(SRT)は、バンコク近郊で元JR東日本のキハ40系気動車20両の運行を開始した。この再デビューには5年もの歳月がかかり、その背景には複数の曲折があった。本記事では、タイ国鉄の中古車両導入のキーパーソンへの取材を基に、その舞台裏を詳報する。

コンゴ民主共和国向けから転用、宙に浮いた車両

複数の関係者によると、この20両は当初、コンゴ民主共和国の首都キンシャサで空港鉄道の活性化に使用される予定だった。しかし、同プロジェクトが中止となり、車両は宙に浮いてしまった。その後、タイ国鉄が譲渡を受けることになったが、再デビューまでに5年も要したのには、それ以外の理由も存在した。

輸送の課題:フォワーダーの経験不足

中古車両を海外に譲渡する際は、元の鉄道事業者で書類上の廃車処理(車籍抹消)を終えた後、物流会社(フォワーダー)が輸出入手続きや輸送を担当する。車両価格が無償であっても、輸送経費は譲渡先の負担となる。特大貨物の輸出入に詳しい関係者は、今回の輸送を受注したフォワーダーは過去に鉄道車両を輸送した経験がほとんどなく、知識不足だった可能性を指摘する。

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船積みからタイ到着、そして1年の足止め

キハ40系20両は2024年3月、秋田から新潟へ陸送され、5月に新潟東港からタイへ出航。6月にレムチャバン港に到着後、トレーラーでSRTレムチャバン駅構内の貨物ヤードまで運ばれた。しかし、ここで再び1年近く足止めされることになる。

軌間の違いが招いた台車問題

安全運行に関わる台車の着脱は、原則として鉄道従事者以外は行えない。陸送などで台車の取り外しが必要な場合、輸送業者は車両メーカーや鉄道事業者に委託する。中古車両の輸送ではコスト削減のため、台車を切り離さずそのまま輸送するのが一般的で、今回も船積み時は台車ごと吊り上げられた。しかし、SRTの線路幅は日本の狭軌(1067mm)より狭い1000mm(メーター軌)である。そのため、台車を切り離して工場に送り、車軸を交換してメーター軌に対応させる必要があったが、この点が考慮されていなかった。ちなみに、過去に導入されたキハ183系や14系の際は、日本で台車を取り外していた。

今後の展望

今回の経験を踏まえ、タイ国鉄は中古車両導入の際に軌間や台車の互換性を事前に精査する方針だ。キハ40系はバンコク近郊のローカル線で運行され、観光客や地元住民の足として活用される予定である。

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