クロマグロ漁獲枠配分の矛盾と解決策:沿岸漁業への移行が鍵
クロマグロ漁獲枠配分の矛盾と解決策

日本のクロマグロ漁獲枠配分の現状と問題点

2026年管理年度の漁業別枠配分では、大型船(大臣枠)が6割、沿岸漁業(都道府県分)が4割となっている。この偏りが沿岸漁業者を苦しめている。片野歩氏(Fisk Japan CEO/東京海洋大学特任教授)は、この配分の矛盾を指摘する。

日本はWCPFC(中西部太平洋まぐろ類委員会)の会議で、2027年の漁獲枠について、大型(30kg以上)を1万1869トンから25%増加、小型(30kg未満)を5125トンから6%減少させる提案を行った。しかし、各国の合意には至らず、新たな管理方式は決定しなかった。

沿岸漁業への配分拡大がもたらす効果

片野氏は、仮に漁獲枠が増加した場合、その全量を沿岸漁業(定置網・釣り・延縄)に配分すべきだと主張する。これにより、ようやく配分比率が半々となる。また、小型30kg未満の漁獲については、大西洋クロマグロでは原則禁止されているため、日本も獲るべきではないと述べている。

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日本全体の漁獲枠総量は増やせないため、定置網で枠を超えた分は、大型巻き網漁船の枠から差し引く方式を提案。使用した枠の一部は金額で大型巻き網漁船に支払うことで、漁業間の不満を解消できるという。

巻き網漁の減産が単価上昇につながる可能性

品質面では、巻き網漁業による大量水揚げ(夏場に数十トン単位)では血抜きなどの処理が物理的に困難だが、沿岸漁業に配分すれば付加価値が高まる。片野氏は「漁業で重要なのは水揚げ数量ではなく、水揚げ金額」と強調。巻き網漁の水揚げが減れば単価が上がりやすくなり、結果として水揚げ金額の合計が増える可能性もある。さらに、沿岸漁業者から枠使用代が入るため、大型巻き網漁船にとっても経済的に悪い話ではないとしている。

次ページでは、キャッチアンドリリースを公式に認める意義について議論される。

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