鋳造職人の勘をデータ化、中央可鍛工業が品質向上 愛知・日進
鋳造職人の勘をデータ化、中央可鍛工業が品質向上

1400度の溶鉄を砂型に注入、自動車エンジン部品を量産

中央可鍛工業(愛知県日進市)は、砂を固めて作った型に1400度に熱した溶けた鋳鉄を流し込み、約30分かけて冷却・固化させた後、砂型を崩して自動車エンジン用部品を取り出す「鋳造」技術を持つ自動車部品メーカーだ。同社の製品は、形状の自由度が高く、熱や振動に耐える強度が特長で、トヨタ自動車のほとんどのエンジン車に採用されている。バランスシャフトやエンジンと車体を固定するブラケットなどが代表的な製品だ。

塩満栄治鋳造統括部長は「複雑な形状の製品を一発の加工で高速に生産できるので量産に向いており、しかも安価だ」と胸を張る。金型製作から製品の機械加工、取引先への納入までの全工程を自社で完結できる強みもある。

岐阜久尻工場で世界トップクラスの生産速度

2019年に稼働した岐阜久尻工場(岐阜県土岐市)は、世界トップクラスの速度で生産可能な最先端工場だ。一つの砂型を7秒間隔で作る速いペースに合わせ、鉄の溶解や鋳鉄注入などの作業を無駄なく連動させ、1時間に3.6トンの製品を生産する。製品搬送の自動化なども進め、生産性は従来工場の1.5倍に向上したという。

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熟練職人の勘をデータ化、品質安定へ

鋳造では、砂の水分量や成分、溶鉄に加える添加剤の量など様々な要素が品質に影響するが、これまでは熟練職人の勘やコツに依存していた。そこで同社は約2年前からデータ化を推進。数値目標を設定した上で職人の目視検査も併用し、不良品削減に取り組んでいる。

エンジン部品のイメージが強いが、電気自動車(EV)や産業用ロボット、半導体製造装置用部品など幅広い分野に製品を供給。塩満氏は「これから伸びる分野でも使われているので、高品質の製品を安定的に出していきたい」と意気込む。

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