東京湾の生態系が急速に変化している。アジの釣り船でクロダイが釣れるなど、従来の魚種構成が大きく変わりつつある。こうした中、水産庁は2024年6月末から「クロダイのおいしさ認知向上プロジェクト」を開始した。
水産庁がクロダイの価値向上に本腰
水産庁漁政部加工流通課認証推進班の吉川千景課長補佐は、プロジェクトの狙いについて、「せっかくの有益な資源なので、そのおいしさを知ってもらえる機会を増やし、付加価値も上げていきたい」と語る。その上で、漁業者、流通・小売業者、消費者にとって「三方よしの世界を目指したい」と強調する。
このプロジェクトにより、漁業者と流通・小売業者にとっては新たな収入源となり、消費者にとってはおいしい魚を味わうことができる。さらに、ノリやアサリへの食害の減少にもつながり、養殖業者にとっても好影響をもたらすことが期待されるという。
プロジェクトの賛同組織は33に拡大
賛同メンバーは当初19組織だったが、現在は33に拡大した。府県、大学などの研究機関、漁業組織のほか、キッコーマンやUmiosなどの大手企業も賛同している。同庁は、クロダイの認知向上が進むまでプロジェクトを継続する方針だ。
クロダイの味わいと調理のポイント
筆者は釣ったクロダイを、塩焼き、刺身、炊き込みご飯でいただいた。アジよりも味に深みがあり、マダイと遜色なく、普通においしい。ただし、鎧のような硬い鱗を持つクロダイはさばくのに苦労する。塩焼きもおすすめだ。
工藤氏は「クロダイは過酷な環境変化の中でしぶとく生き残り、繁栄を勝ち取っているので、学ぶべきものはいろいろある」と話す。人間社会も地球温暖化の影響を受け続ける中で、一層の適応力が求められている。



