仕事がなぜ時間通りに終わらないのか。その原因は意外なところにあった。実行管理コンサルタントの佐藤彰太氏は、計画性のなさではなく、タスクの遅延元凶は「交渉不足」にあると指摘する。
計画性だけでは解決しないタスク遅延の実態
多くのビジネスパーソンは、仕事が終わらない原因を自分の計画性のなさや時間管理能力の低さに求める傾向がある。しかし佐藤氏によれば、真の問題は「納期やスケジュールを一方的に受け入れてしまい、調整の交渉をしないこと」にあるという。
例えば、上司やクライアントから突然の依頼が来たとき、多くの人は「わかりました」と即答してしまう。しかしその結果、既存の計画が崩れ、結果的に遅延が発生する。佐藤氏は「最初の段階で、納期を含めた相談をする勇気が必要」と説く。
具体的な交渉術:相談モードで腹を割る
佐藤氏は第2段階の対策として、以下のような具体的な交渉フレーズを提案する。
- 「恐れ入りますが、次回からは納期も含めて相談させていただいてもよろしいでしょうか?そのほうが、しっかり予定に入れて集中して取り組めますので」
- 「申し訳ありませんが、今度からは調整可能な日時を出し合ってから打ち合わせを設定してもらえるとありがたいです。そのほうが、準備して参加できますので」
これらのフレーズは少し勇気がいるかもしれないが、相談モードで腹を割って交渉するのが最も効果的だと佐藤氏は言う。
また、仕事をアサインする側も通常は「バッファ」を設けているため、緊急性が高くなさそうであれば、「すみません、予定を調整して取り組みますので、今週いっぱいでもよろしいですか?」と交渉するのも有効だ。
「いい仕事をしたい」という姿勢がカギ
重要なのは、交渉の目的が「サボりたいから」「面倒だから」ではなく、「任された仕事を精度高く仕上げたいから」「いい仕事をしたいから」であることを伝えることだ。上司もその意図を理解すれば、むげにはできないはずだ。
佐藤氏は「不満を抱えたまま、ただ振られた仕事を黙々とこなすのが最も良くない」と指摘。自分の計画を守るだけでなく、精神衛生や職場環境の向上のためにも、主体的に働きかけることが真の生産性向上につながると述べている。
緊急時には計画変更も必要
もちろん、これらの交渉を一度行えば二度と計画が崩れなくなるわけではない。仕事には緊急事態がつきものであり、緊急性の高い事態が生じれば優先順位は入れ替わる。そういうときは自分の計画を崩してでも対処しなければならない。
しかし、それでも「時間の使い方の主導権はあくまで自分の手にある」という意識を持ち、その姿勢で仕事に取り組んでいることを周囲に知らせておくことが大きな意味を持つと佐藤氏は強調する。



