採用面接で「持病はありますか」「子どもはいますか」「発達障害はありますか」といった質問をした経験はないだろうか。あるいは、された経験はないだろうか。
応募者の人柄を知りたい。長く働ける人か見極めたい。入社後のミスマッチを防ぎたい——。面接官に悪気はない。むしろ「相手をよく知ろう」とした結果、つい聞いてしまっていることも多い。採用面接における問題の本質はまさにそこにある。
質問で得た情報を何の評価に使うのか
筆者の実感では、面接官自身が「質問の意図」を明確に説明できないケースは多い。
7月、日本財団が発達障害・精神疾患の診断を受けた人を対象にした調査を公表した。障害者手帳を持たず、一般枠で就労活動をした人の76.5%が、医療機関での診断結果を企業に開示した経験がなかった。その理由で最も多かったのは、開示したことで不採用になった経験、または不採用になることへの懸念である。
「言わないなら、面接で聞けばいい」と思うかもしれないが、話はそう単純ではないのだ。
面接は「その人を知る場」ではない
面接官は「相手をよく知ろう」とした結果、つい質問してしまう。しかし、その質問が応募者のプライバシーに関わるものであれば、応募者は正直に答えられない。面接は「その人を知る場」ではなく、あくまで採用判断のための情報を得る場であるべきだ。
採用面接で聞いてはいけない質問とは、単にタブーとされる質問ではなく、質問の意図を明確に説明できない質問のことだと言えるだろう。



