ヴァンガードスミスは2026年7月24日、カスタマーハラスメント(カスハラ)に関する実態調査の結果を発表した。インターネット調査は2026年6月24日、全国の18~59歳の働く男女500人を対象に実施された。
カスハラ認知度は約8割に拡大
カスハラについて「内容まで知っている」「言葉だけは知っている」と回答した人は79.6%で、前回調査から3.2ポイント増加した。「カスハラ」という言葉は社会的に広く認知されるようになった一方、被害を受けた従業員の相談や企業の対策には課題が残ることが分かった。
「相談しても無駄」と感じる従業員は5割超
カスハラ被害を受けた、または遭遇したことがある従業員に勤務先への相談状況を聞いたところ、「会社や周囲に相談しなかった」は42.2%だった。相談しなかった理由では、「誰かに相談しても無駄だと思ったから」が55.2%で最多となった。カスハラへの関心が高まる一方、被害を抱え込む従業員が依然存在している。
約6割が「会社の対策準備状況がわからない」
2026年10月1日に東京都などで施行されるカスハラ防止条例に向け、勤務先での対策準備状況を尋ねた。「自分は一般社員・現場職なので、会社が準備を進めているか分からない」が57.8%で最多。「対策の必要性は感じているが、具体的には何も着手できていない」「義務化に向けて特に対策をとる予定はない」は15.0%だった。「すでに十分な対策が完了している」は11.5%にとどまり、企業の対策状況が現場まで共有されていない実態が明らかになった。
社内対策後も「解決していない・わからない」が7割超
勤務先で実施されたカスハラへの解決策や事後対応後の状況を聞いたところ、「解決していない」29.0%、「解決したかどうかわからない」45.0%で、合わせて74.0%を占めた。社内マニュアル配布や簡易研修だけでは、多様なカスハラへの根本的な解決や抑止につながっていない状況がうかがえる。
外部のカスハラ対策支援サービス利用希望は55.5%
外部のカスハラ対策支援サービスへのニーズを調査したところ、「使いたい」12.5%、「どちらかといえば使いたい」43.0%を合わせ、55.5%が利用を希望した。企業内だけでなく、専門的知見を持つ外部機関による実効性のある解決策への期待が高まっている。
今回の調査では、「カスハラ」という言葉の認知度は高まった一方、「相談しても無駄」「会社がどこまで対策しているかわからない」と感じる従業員が多く、制度整備と現場の実感との間にギャップがあることが分かった。企業には、単なるマニュアル作成やルール整備だけでなく、従業員が守られていると実感できる実効性のある対策が求められる。また、外部のカスハラ対策支援サービスへの利用希望が半数を超えたことから、専門機関と連携した対策も選択肢の一つになりそうだ。(出所:ヴァンガードスミス調べ)



