独身研究家でコラムニストの荒川和久氏が「ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―」の中で、日本の少子化問題に欠かせない視点を提示した。同氏は「もう1人産む」という呼びかけだけでは少子化は止まらず、人口減少が続く日本には決定的に欠けた視点があると主張する。
少子化対策の核心は20代の初婚と第一子出生
荒川氏によれば、少子化対策の課題は明確で、20代の初婚と第一子出生を増やさない限り、無子率の改善と合計特殊出生率(TFR)の改善は不可能だという。韓国のTFRが0.8前後に低迷しているのは、無子率が57%にも上るためだ。無子率が52.4%を超えるとTFRは1.0を下回る計算になり、日本はあと7%無子率が上昇すれば、TFRが1.0以下に陥る危険性がある。
各自治体は「婚姻数5%増」を目標に
2025年の婚姻数(概数)は前年比0.8%増だった。これは一見良い兆しに見えるが、荒川氏は「これでは足りない」と指摘する。厳密な計算ではないが、わかりやすく簡略化すれば、無子率を5%減らすためには婚姻数も最低5%増(年間51.3万組)が必要だという。この数字は決して不可能ではない。コロナ禍の2020年でも52万組の婚姻があったからだ。
抽象的な少子化対策を掲げるだけでは意味がない。数字の裏付けのあるデータに基づき、具体的に何を目標とするべきかの指針が必要だ。荒川氏は、各自治体がそれぞれ「婚姻数5%増」を目標に掲げ、そのために何ができるかを検討すべきだと提言している。



