政府、少子化対策に年間3.5兆円の新枠組み 2028年度から実施
政府、少子化対策に年間3.5兆円 新枠組み28年度から実施

政府は少子化対策の新たな枠組みとして、2028年度から年間3.5兆円規模の財源を確保し、児童手当の拡充や高等教育費の負担軽減などを実施する方針を固めた。複数の政府関係者が21日、明らかにした。この枠組みは、従来の対策を大幅に拡充するもので、少子化の流れを反転させるための「異次元の少子化対策」の具体化となる。

児童手当の拡充と高等教育費負担軽減

新たな枠組みでは、児童手当の対象を高校生まで拡大し、第3子以降の給付額を増額する。また、大学や専門学校などの高等教育費について、所得制限を撤廃し、授業料の無償化を段階的に進める。これらの施策により、子育て世帯の経済的負担を大幅に軽減する狙いだ。

政府関係者によると、財源は社会保障費の効率化や歳出改革で捻出するほか、新たな社会保険方式の導入も検討する。具体的には、現行の子ども・子育て拠出金の税率引き上げや、医療保険料への上乗せなどが候補に上がっている。

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2028年度からの段階的実施

政府は2028年度から新枠組みを段階的に実施し、2030年度までに完全施行を目指す。初年度は児童手当の拡充を先行し、その後高等教育費の負担軽減を順次導入する。総事業費は年間約3.5兆円で、これは現行の子ども・子育て関連予算(約2兆円)を大きく上回る。

岸田首相は「少子化は国家存続の根幹に関わる課題だ。あらゆる手段を講じて対策を加速する」と述べ、今回の枠組みを「未来への投資」と位置付けた。一方、財源確保のための負担増に対しては、与党内からも慎重論が出ている。

今後の課題と議論

新枠組みの実現には、関連法案の改正が必要で、政府は2027年の通常国会に関連法案を提出する方針だ。しかし、財源の具体的なスキームや負担の在り方については、今後与野党の協議が本格化する見通し。特に、社会保険方式の導入には、現役世代の負担増を懸念する声が強く、調整は難航が予想される。

専門家からは「持続可能な制度設計が不可欠」との指摘がある。少子化対策に詳しい東京大学の山口教授は「短期的な給付拡大だけでなく、長期的な視点での雇用環境の整備や働き方改革と連動させることが重要だ」と述べている。

政府は来年度の予算編成過程で、新枠組みの詳細を詰める方針だ。国民の理解を得ながら、少子化克服への道筋を描けるかが問われている。

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