育成就労制度で外国人材の流動化加速、香川の企業に定着策が急務に
育成就労制度で外国人材の流動化、香川の企業に定着策が急務

香川県丸亀市の屋外研修施設「HRD丸亀」で7月30日、インドネシア人の技能実習生5人がアスファルト舗装の技術を学んでいた。HRD丸亀は善通寺市の建設会社「YOTSUBA」などが共同運営し、舗装の練習ができる地面を持つ。この日は、同社の関連会社などで働く実習生が日本人の上司に教わりながら、砕石を踏み固める「ロードローラー」を慎重に動かしていた。

ヒクマヌロ・ブディアンシャさん(27)は「技術は難しいけれど、丁寧に教えてもらえるので安心して覚えられる。長く働けるように頑張りたい」と話す。同社は2024年から実習生を受け入れ、現在、関連会社を含めると、インドネシア人とフィリピン人の計14人を抱える。

企業が抱える課題と地域との共生

同社の長尾辰雄・企画部長(48)によると、日本語教育など言語の壁はあるものの、向上心が高く、仕事面の課題は日本人社員と比べても多くはないという。一方で、よく言い聞かせるのは生活習慣だといい、受け入れ当初はゴミ出しのルールを守らなかったり騒音が大きかったりして地域住民らから苦情が寄せられたこともあった。居住地域の自治会の清掃活動やイベントにも積極的に協力するよう求め、地域に溶け込む努力を重ねる。

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県内の外国人労働者は過去最多

香川労働局によると、県内の外国人労働者数(昨年10月末時点)は1万6557人。3年連続で過去最多を更新し、10年前(5172人)の3・2倍だ。雇用する事業所数も過去最多の2358か所に上る。

百十四経済研究所(高松市)が県内に本社や主力工場を持つ253社から回答が寄せられた調査でも、38%が外国人を雇用していると答えていた。主な理由として、「慢性的な人手不足」や「日本人の応募が少ないため」を挙げた。外国人を雇用した企業からは「日本語能力の不足」「習慣の違いの認識不足」といった課題が指摘されるものの、外国人労働者を貴重な戦力と捉える企業が多い模様だ。

育成就労制度で流動化が加速へ

技能実習生の多くは3年が経過すると、より専門的な在留資格「特定技能」に移行でき、同じ業種内に限り転職が可能になる。出入国在留管理庁の調査では、特定技能に移行した県内の技能実習生約2400人(昨年6月末時点)のうち、3分の1は県外で転職した。大阪や首都圏などにある賃金の高い企業に移る事例が多いという。

27年度から、技能実習制度は見直され、外国人をより明確に労働力と位置づけた「育成就労制度」が始まる。他社への転職が認められるようになり、人材がより流動化することが予想される。県や県内企業は育てた外国人を香川に定着してもらう工夫が求められることになる。

外国人雇用に詳しい百十四経済研究所の山口良三・シニアアナリストは「賃金面では大都市が優位のため、地方の企業は丁寧な職務指導や日本語教育による手厚いサポートなど魅力的な職場作りと情報発信が不可欠だ。行政には、定着に向けた企業ニーズの把握やサポートも重要だ」と助言する。

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