クレジットカード決済代行会社「全東信」(大阪市中央区)の破産手続き開始決定を受け、13日時点で少なくとも23の地域金融機関で計465億円超の融資が回収不能となり、焦げ付く恐れがあることが明らかになった。未公表の金融機関も存在し、実際の影響額はさらに拡大する可能性がある。
負債総額は1151億円、23機関で465億円超の焦げ付きリスク
破産申立書の債権者一覧に記載があった地方銀行や信用金庫、信用組合など63の金融機関のうち、13日までにそれぞれ公表した回収不能見込み額を読売新聞が集計した。申立書によると、全東信は5月時点で借入金が1130億円、社債が21億円あり、負債総額は1151億6491万円に上る。
回収不能見込み額が大きかったのは、近畿産業信用組合(大阪市、124億円)、東和銀行(前橋市、58億円)、大阪厚生信用金庫(大阪市、44億円)、東京スター銀行(東京、40億円)など。山口フィナンシャルグループ(FG)傘下の山口銀行(山口県下関市)は債権額が74億円に上ったが、「担保などで全額保全されており、与信関係費用の発生は見込んでいない」としている。
金融機関の損失処理と決算への影響
金融機関は、融資先の企業が破綻した際、破綻した企業の預金で貸出金を回収したり、回収不能に備えて事前に積み立てた引当金で補填する。それでも回収できない場合には、決算に損失として計上し、利益を押し下げることになる。今回の全東信破産では、複数の金融機関が多額の引当金を追加計上する見通しで、2026年度の業績に影響を与える可能性がある。
全東信は、クレジットカード決済代行を主力としていたが、経営悪化により5月に破産手続きを申請した。負債総額は1151億円を超え、2026年の企業破綻としては大型案件の一つとなっている。金融庁も今回の事態を重く見て、金融機関の融資管理体制の強化を促す方針だ。



