居心地の良い店と思いの店を比べると、商品を出すタイミングや笑顔、声のかけ方、細やかな気配りなどに違いがある。興味深いのは、そうした店が「お客さんに何を提供したいのか」を明確にしている点だ。
「目立つところ」よりも大切なもの
本当に観察すべきは目立つ部分ではない。ゆっくり過ごしてもらいたいのか、特別な時間を味わってほしいのか、気軽に立ち寄ってほしいのか。目的が定まっているからこそ、接客に一貫性が生まれる。著書『「変わりたい」けど、「変われない自分」から抜け出すための行動の仕組み化』(アスコム)では、この考えをさらに掘り下げている。
逆に、提供したい価値が曖昧な店は接客もぎこちなくなりがちだ。売れている店にはこの共通点がある。接客の元気さや静かさが売れる理由ではない。店の提供価値と接客が一致しているからこそ、客に響くのだ。
人の観察も同じ
人を見る時も同様だ。見るべきは派手な部分ではなく、どんな状況で気を配り、どのような言葉を選び、どんな仕事をするかという細かな行動の積み重ねに、その人の実力や個性が現れる。
さらに、人だけに注目するのではなく、その人の置かれている環境や周囲の空気も一緒に観察する。そうすることで、元気さや派手さの奥に隠れた本当の魅力や強みが見えてくることがある。
人から学ぶ時も、話している内容だけでなく、それに合わせた言葉の選び方、表情、声のトーン、振る舞いといった細部に注目すると、本やセミナーでは得られない気づきがある。だからこそ、人をよく観察することを大切にしている。



