メルカリとfreeeは、かつて大赤字を垂れ流しながらも高成長を遂げた企業だ。その財務諸表から「良い赤字」と黒字化のカラクリを読み解く。
freeeのP/L構成の変化
freeeの場合、24年6月期は営業赤字で▲33%ものマイナスだった。しかし翌25年6月期には営業利益率2%の黒字化を達成した。主な理由は、売上増加に伴い研究開発費の割合を19%、広告宣伝費の割合を8%、その他販管費の割合を7%削減したためだ。その結果、営業利益率は35%改善し黒字化した。
連続赤字でも倒産しなかった理由
freeeが創業以来12年連続赤字でも倒産しなかったのは、事業成長に加え、株式での調達が十分できたからだ。24年6月期まで営業CFのマイナスが続いたが、財務CFを通じた資金調達で資金繰りに問題はなかった。84億円の営業赤字を計上した24年6月期でもキャッシュ残高は318億円あり、同様の赤字が続いても3年以上持つ計算だった。潤沢な資金の背景には、21年6月期に350億円以上の株式調達があった。これは将来のM&Aを見越した海外公募増資によるものだ。
このように、P/Lだけでは捉えられないキャッシュの動きを押さえることが、赤字を掘って成長するスタートアップの分析では不可欠となる。



