かつては大赤字を垂れ流しながら高成長を遂げたメルカリとfreee。赤字と聞くとネガティブな印象を持ちがちだが、高い成長率を維持していれば将来性を評価され、投資を受ける企業も少なくない。では、赤字でも問題ない企業と致命傷になる企業の違いはどこにあるのか。本稿では村上茂久著『決算分析のプロが教える 最高の教訓 倒産』から、メルカリ、freee、出前館を事例に前後編で見ていく。
あのメルカリもかつては大赤字だった
メルカリの売上高と営業利益を時系列で見ると、売上高は順調に右肩上がりで成長している。一方、営業利益は2020年6月期まで赤字を拡大しており、営業利益率は▲25%だった。売り上げは伸びているが赤字も拡大した。翌年の21年6月期には黒字化するが、22年6月期に再度赤字化。その後安定的に営業黒字を確保し、直近の25年6月期では営業利益率14%と高い水準を達成した。
メルカリが赤字でも倒産しなかった事情
メルカリが赤字で成長を続け、その後黒字転換できた理由を、損益計算書(P/L)とキャッシュフロー計算書(C/S)の2つの観点から解説する。同社は成長投資のために積極的に赤字を出していたが、キャッシュフローは健全で、資金調達も順調だったため倒産を免れた。
12期連続赤字で成長を続けてきたfreee
freeeも12期連続で赤字を計上しながら成長を続けてきた。同社もメルカリと同様、将来の成長を見据えた投資が赤字の主因であり、投資家からの資金調達により事業を継続できた。
連続赤字でも倒産しなかったもう1つの理由
連続赤字でも倒産しなかったもう1つの理由は、ビジネスモデル自体がキャッシュを生む構造になっていたことだ。メルカリやfreeeは、赤字でも営業キャッシュフローがプラスである期間があり、追加の資金調達が容易だった。



