2025年度の賃上げ交渉で、中小企業と大企業の格差が一段と広がっていることが、連合(日本労働組合総連合会)の集計で明らかになった。中小企業の賃上げ率は前年から横ばいの3.5%にとどまったのに対し、大企業は5.2%と堅調な伸びを示し、その差は1.7ポイントに拡大した。
中小企業の賃上げ率、大企業に大きく劣る
連合が2025年7月に公表した集計結果によると、従業員300人未満の中小企業の平均賃上げ率は3.5%で、前年の3.4%からわずかに上昇したものの、大企業(従業員300人以上)の5.2%を大きく下回った。大企業の賃上げ率は前年の4.8%から0.4ポイント上昇しており、中小企業との差は前年の1.4ポイントから1.7ポイントに拡大した。
賃上げ額でみると、中小企業の平均は月額9,500円で、大企業の月額1万5,000円を5,500円下回った。特に製造業や小売業など、人手不足が深刻な業種でも中小企業の賃上げは限定的で、連合の担当者は「中小企業は原材料費やエネルギー価格の高騰を価格転嫁できず、賃上げ原資の確保に苦戦している」と指摘する。
業種別でみる賃上げの実態
業種別では、運輸・郵便業の中小企業で賃上げ率が3.8%と比較的高かった一方、宿泊・飲食サービス業では2.9%にとどまった。大企業では情報通信業が5.8%で最も高く、製造業も5.3%と堅調だった。連合の調査では、中小企業の約6割が「賃上げを実施したが、その額は十分ではない」と回答しており、物価上昇に追いつかない実態が浮き彫りになった。
また、地域別では、都市部と地方の格差も顕著だ。東京都内の中小企業の賃上げ率は4.1%だったのに対し、東北地方の中小企業は3.1%と低水準だった。連合は「地域経済の活性化と中小企業の生産性向上が急務」とし、政府に対して中小企業向けの補助金拡充や価格転嫁の促進を求めている。



