企業や投資家の間で、社会的価値と財務的リターンの両立を目指す「インパクト評価」への関心が急速に高まっている。従来のESG評価がリスク管理に主眼を置くのに対し、インパクト評価は企業が社会や環境に与えるプラスの影響そのものを測定し、価値として可視化する点が特徴だ。金融庁や日本経済団体連合会(経団連)も指標・データの整備を進めており、開示の枠組みづくりが本格化している。
SDGsインパクト評価のグローバルランキング
2024年時点のグローバル企業ランキングを見ると、上位20社のうち12社を医薬品・バイオテクノロジー・ヘルスケア関連企業が占めている。これは、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」への貢献がインパクト評価に強く反映されているためだ。
トップは米国のユナイテッドヘルス・グループで、1015億ドル(約15兆円)という圧倒的なインパクトを創出し、売上高1ドル当たり0.254ドルの価値を社会に還元している。
国内企業ランキングと武田薬品工業の評価
国内企業では、武田薬品工業がトップに立った。同社はグローバル本社を東京・日本橋に置き、SDGsへの貢献度が高く評価されている。インパクト評価の手法は国連のSDGsと親和性が高く、RGSの評価項目は各目標と整合しているため、企業の貢献度を共通尺度で計測できる。
これにより、これまで把握しづらかった社会・環境への貢献を定量的に比較でき、企業活動の実態をより立体的に捉えられるようになった。
インパクト評価の広がりと今後の展望
貨幣換算によるインパクト評価はさらに広がりを見せている。金融庁や経団連が指標・データの整備を進めることで、開示の枠組みが本格化し、企業評価の基準として定着する可能性がある。
第5回では、外部性評価で日本勢トップとなった富士通(世界3位)を中心に、インパクト投資効果を検証する予定だ。



