東洋経済が実施した独自調査により、業績が好調な企業に共通する特徴が浮き彫りになった。調査は2023年度の決算データを基に、売上高成長率と営業利益率の両方で上位に入った企業を分析したものだ。
デジタル化が業績を牽引
好調企業の多くが、業務プロセスのデジタル化を積極的に推進している。特に、クラウドサービスの活用やAIによる業務効率化が顕著で、これによりコスト削減と生産性向上を同時に実現している。例えば、製造業ではIoTセンサーを活用した予知保全システムの導入が進み、ダウンタイムを平均30%削減した事例がある。
また、顧客データの分析によるマーケティング効率化も共通点だ。好調企業の約7割が、顧客行動データを基にしたパーソナライズド施策を実施していると回答した。これにより、顧客満足度の向上とリピート率の増加につながっている。
人材投資が成長の原動力
調査対象企業のうち、業績好調な企業は従業員一人当たりの教育訓練費が業界平均を40%上回っていた。特に、デジタルスキル習得のための研修プログラムに力を入れており、全社的なリスキリングを推進している。
「当社では、全従業員にAIリテラシー研修を義務付けている。これにより、現場からAI活用のアイデアが次々と生まれ、業務改善に直結している」と、ある製造業の人事責任者は語る。
サステナビリティ経営の浸透
環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みも好調企業の特徴だ。調査対象の好調企業のうち、8割以上がESG目標を経営計画に組み込んでいた。特に、カーボンニュートラルに向けた具体的なロードマップを策定している企業が多く、再生可能エネルギーへの切り替えやサプライチェーン全体での排出削減に取り組んでいる。
ある化学メーカーは、工場の電力を100%再生可能エネルギーに転換し、年間約5万トンのCO2削減を達成した。このような取り組みが、投資家からの評価向上につながっている。
今後の課題と展望
一方で、調査では好調企業にも課題があることが分かった。最も多い課題は「デジタル人材の不足」で、好調企業の半数以上が人材獲得競争の激化を懸念している。また、新たな事業領域への進出に伴うリスク管理の重要性も指摘されている。
東洋経済のアナリストは「今後は、デジタル化と人材投資のバランスがさらに重要になる。単なるコスト削減ではなく、成長投資としての位置づけが求められる」と分析している。



