「タワマン節税」是正へ、相続税の新ルールとは?富裕層に影響大
国税庁は、タワーマンションを活用した相続税対策、いわゆる「タワマン節税」に対し、新たな評価ルールを導入する方針を固めた。これまで、高層階ほど評価額が低くなる傾向を利用した節税手法が横行していたが、新ルールでは実際の取引価格に近い評価額が適用される見通しだ。これにより、富裕層を中心に大きな影響が出るとみられる。
タワマン節税の仕組み
タワマン節税とは、相続税の評価額が実際の市場価格よりも低くなることを利用した手法だ。相続税評価では、マンションの一室を「区分所有権」として評価するが、その計算方法が複雑で、高層階ほど評価額が低くなる傾向があった。例えば、実際の売買価格が1億円の部屋でも、相続税評価額は5000万円程度になるケースもあり、差額を利用して相続税を圧縮できた。
この手法は、特に都心のタワーマンションで多く見られ、富裕層の間で広く利用されてきた。しかし、国税庁はこれを「過度な節税」とみなし、是正に乗り出した。
新ルールの内容
新ルールでは、マンションの評価方法を見直し、実際の取引価格に基づいた評価額を算出する。具体的には、同じマンション内の取引事例を参考に、階数や向きなどの要素を加味して評価額を決定する。これにより、これまで低く見積もられていた高層階の評価額が上昇し、節税効果が大幅に減少する見通しだ。
国税庁は、2024年度の税制改正でこのルールを導入する予定で、早ければ2025年の相続から適用される可能性がある。
富裕層への影響
タワマン節税を利用していた富裕層にとって、新ルールは大きな打撃となる。例えば、これまで1億円の物件を5000万円で評価できていた場合、新ルールでは8000万円程度に評価額が上がる可能性がある。その結果、相続税の負担が数百万円から数千万円単位で増加するケースも想定される。
また、タワーマンションの需要にも影響が出る可能性がある。節税目的の購入が減少すれば、高層階の価格が下落するリスクもある。特に、都心の高級タワーマンション市場では、価格調整が進むかもしれない。
不動産市場への波及効果
新ルールは、タワーマンション以外の不動産にも影響を及ぼす可能性がある。国税庁は、マンション全体の評価方法を見直す方針で、今後、他の物件タイプにもルールが拡大される可能性がある。不動産投資を検討している人は、今後の税制改正に注意が必要だ。
一方で、税制の公平性を高めるという観点からは、この改正は評価される。これまで、タワマン節税は「富裕層優遇」との批判があったが、新ルールによって是正されることになる。
まとめ
「タワマン節税」の是正は、相続税対策に頼る富裕層にとって大きな転機となる。国税庁の新ルールにより、評価額が実勢価格に近づき、節税効果は減少する。不動産市場にも影響が及ぶ可能性があり、今後の動向に注目が集まる。



