会議で方向性を説明するたびに、「一度、チーム内でやり方について検討させてください」「リソースが足りず、そこまで手が回らないかもしれません」「部長の言う通りだと思いますが、現場は今こういった状況でして……」といった「言い訳」が返ってくる。心当たりのあるマネジャーは少なくないだろう。指摘すれば場の空気は悪くなり、放っておけば会議は漫然と進む。目標達成に向けた議論のはずが、いつの間にか「できない理由」を探す時間に変わってしまう。
会議の主導権は、始まる前に決まっている
20年以上、現場に入ってコンサルティングをしてきてつくづく思う。マネジャーは会議の仕切り方を分かっていない。特に出席者から「言い訳」が出たときの対応がまずい。
何がまずいのか? それは、会議が始まってから部下の言い訳に対応しようとすることだ。
「それはやらない理由にはならないよね」「もっと前向きに考えられないのか」と、その場で切り返す。しかし、こんなことをすれば会議の空気が悪くなるだけだ。部下は防衛的になり、次からは本音を話さなくなっていく。悪循環に陥れば、会議はますます形骸化していくだろう。
だからといって、そんな言い訳を放置していいはずがない。真面目にやっている部下が、次のような不満を持ったら、さらに組織の空気は悪化する。
「本当は時間があるのに、先送りしていただけですよ」「あんな言い訳させておいていいんですか」
大切なのは、会議が始まる前に、相手の意識にあらかじめ布石を打っておくことだ。布石さえ効果的に打つことができれば、言い訳が出る芽そのものをなくすことができる。
「布石管理」の3つの技術
それでは、ここから簡単に「布石管理」について解説していこう。大きく分けると、次の3つの技術がある。
- 「プリフレーム」であらかじめ意識させる
- 「言い訳データベース」で先回りする
- 「マイ・フレンド・ジョン」を用いて角を立てずに伝える
それでは、一つ一つ解説していこう。
会議の冒頭で伝える「たった一言」
会議の冒頭で伝える「たった一言」が、布石管理の第一歩となる。あらかじめ「布石」を打つことで、主導権を握ってコミュニケーションをとることができる。会議で部下の言い訳に振り回されがちなマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。



