特殊清掃会社「関西クリーンサービス」は、かつて強盗殺人事件が発生した建物を買い取り、大規模な改修を施した後、1階の一角に子ども食堂を開設した。2026年1月のオープン以来、毎回百数十人を超える子どもや親子が訪れ、行列ができる人気スポットへと変貌している。
事件現場から地域の居場所へ
この建物は、かつて闇金の事務所として使われ、首吊りやハンマーによる殺人事件が発生した場所だった。関西クリーンサービスの代表・亀澤氏は、特殊清掃の依頼を受けた際、建物の持つ負の歴史を知りながらも、「何があったかは隠しません」と決断。自社で建物を買い取り、再生プロジェクトを開始した。
外壁を塗り替え、内装を一新し、間取りをすべて変更。1階にあった居酒屋とコインランドリーを解体し、建設会社の事務所として貸し出した。2階と3階はワンルームに改装し賃貸物件として提供したところ、すぐに満室となった。
子ども食堂の運営と反響
2026年1月、1階の一角に明るい雰囲気の子ども食堂がオープン。壁は明るい色に塗られ、かつての面影はまったくない。亀澤氏自身がエプロン姿でキッチンに立ち、子どもたちと交流する。ポケットには子どもたちの間で流行しているシール帳を忍ばせ、「これ持ってる?交換しよ」と声をかけながら、学校や友達、好きな食べ物の話で盛り上がる。
「今では毎回、百数十人を超える子どもや親子が訪れ、行列ができる場所へと変貌しています」と亀澤氏は語る。かつて重苦しい空気に包まれていた空間は、今では笑い声と会話で満ちている。
特殊清掃会社の新たな挑戦
関西クリーンサービスは、特殊清掃の現場で培った経験を生かし、事故物件の再生に積極的に取り組んでいる。今回のプロジェクトは、その一環であり、地域社会への貢献を目的としている。亀澤氏は「負の歴史を隠すのではなく、向き合い、新しい価値を生み出すことが大切だ」と強調する。
同社は今後も、同様の取り組みを続ける方針で、事故物件が地域の新たな拠点として生まれ変わる事例を増やしていきたいとしている。



