多いときで7時間待ちでも儲からない…湘南のかき氷店が直面した矛盾
7時間待ちでも儲からないかき氷店の矛盾

愛知県西尾市の葵製茶をかき氷用に特別にブレンドしたオリジナル抹茶に練乳をたっぷりとかけて提供する湘南・鵠沼海岸のかき氷店「埜庵」は、夏になると長時間の行列ができる人気店だ。しかし、その人気とは裏腹に、利益を上げることに長年苦労してきた。

開業から7年間は「まったく食えなかった」

店主の石附さんは、開業当初の7年間は利益がほとんど残らず、両親や妻の実家から借金をし、冬はアルバイトをしていたと明かす。かき氷の機械1台あたりの生産能力や席数の制約から、1日に提供できる杯数には上限があった。客のクレームや近隣トラブルを避けるためにはスタッフを増やす必要があり、夏の最繁期には1日14〜15人の体制を敷いた。しかし、人件費は膨らみ、台風や雨で客足が止まれば大きな損失となる繰り返しだった。

「行列ができるだけでは儲からない」

「日本一行列するような店をつくったけれど、それだけでは儲からないということに気づいたとき、どうしたらいいのかわからなくなりました」と石附さんは振り返る。開業から10年、おいしいかき氷をつくることに専念してきた先に、まったく別の課題が待っていた。行列はできるのに儲からないという矛盾を抱え、どのように事業を継続するかという問いに直面したのである。

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最大の繁忙期に店を閉める決断

その答えを探す次の10年の果てに、埜庵は現在、夏になると鵠沼海岸の店舗の営業を休止している。かき氷屋にとって本来なら最も忙しい時期にあえて店を閉めるという苦渋の決断に至った背景には、娘の教育費などの現実的な問題もあったという。この経緯の詳細は後編で語られる。

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