株主優待、導入企業が過去最多1711社 長期保有の魅力と注意点
株主優待、導入企業が過去最多1711社 長期保有の魅力と注意点

株式投資で得られる株主優待は、企業が株主に自社商品や食事券などを贈る制度だ。9月末時点で導入企業は1711社に上り、銘柄数・割合ともに過去最高となった。配当と同様に株式を保有するだけで受け取れるため、個人投資家の間で人気が高まっている。

導入企業は過去最多、個人投資家に多彩な特典

野村インベスター・リレーションズ(IR)の集計によると、9月末時点の導入企業は1711社で、2024年の1494社から200社以上増加。上場企業に占める割合も37.6%となり、いずれも過去最高を記録した。

株主優待は、外食の食事券や日用品の新商品など、自社の商品やサービスを中心に、金券やカタログギフトまで内容は多岐にわたる。食品や化粧品、旅行チケットなど、日常で使いやすい特典が人気を集めている。

長期保有のきっかけに、イベント招待も

株主優待は、企業にとって個人株主との関係強化につながる。優待を通じて長期保有を促す効果が期待できるため、安定的な株主を増やしたい企業にとっては大きなメリットがあるという。

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、買い物が10%引きになる優待カードに加え、今月上旬に伊勢丹新宿本店で株主向け見学会を開催。抽選で選ばれた約20人の株主が、非公開の特別なサロンや開店前の売り場を見学した。参加した東京都文京区の男性(69)は「優待カードで食料品や服がお得に買えるし、サロンは優雅で、見るだけでもプレミアム感があった。これからも株の保有を続けたい」と話す。

銘柄選びのポイントと注意点

銘柄を選ぶ際は、優待を金額に換算して投資金額で割った「優待利回り」や、配当利回りと合わせた「総合利回り」が参考になる。例えば、10万円の投資で3000円の配当と3000円分の優待がもらえれば、総合利回りは年6%だ。

お金のコンサルティング事業を展開するMoney&Youの代表でファイナンシャルプランナーの頼藤太希氏は、優待を受ける権利を得るには、権利確定日の2営業日前までに株を購入する必要があると指摘。人気銘柄は権利付き最終日の直前に株価が高くなりやすく、権利落ち日には下落しやすいため、1か月ほど前には買っておくのが得策だと説明する。

また、最近では保有期間が1年以上などの条件を設ける銘柄や、保有期間が長いほど優待内容が充実する銘柄が増えている。途中で売却したり、証券会社を移したりすると保有期間が通算されない場合があるため、条件を詳しく確認することが重要だ。優待は廃止や内容変更の可能性もあるため、注意が必要としている。