SBI証券と楽天証券が、少額投資非課税制度(NISA)の口座獲得をめぐり、激しい競争を繰り広げている。両社は新規口座開設数や運用残高で業界トップを争い、顧客獲得に向けた手数料引き下げやサービス拡充を加速させている。
NISA口座シェア争いの現状
金融庁のデータによると、2024年6月末時点のNISA口座数は、SBI証券が約450万口座、楽天証券が約400万口座と、両社で市場の約4割を占める。成長投資枠とつみたて投資枠の合計で、SBI証券がわずかにリードしているが、楽天証券も猛追している。
SBI証券の戦略
SBI証券は、業界最低水準の手数料を武器に、若年層を中心に口座数を伸ばしている。特に、クレジットカード積立のポイント還元率を他社より高く設定し、定期積立の利用を促進。また、AIを活用した投資アドバイスサービスを強化し、初心者でも始めやすい環境を整えている。
楽天証券の戦略
楽天証券は、楽天経済圏との連携を強みに、楽天カードや楽天市場でのポイントを投資に回せる仕組みを提供。さらに、アプリのユーザビリティ向上や、投資情報の充実を図り、既存顧客の囲い込みに成功している。最近では、海外株式の取り扱い拡大や、夜間取引の対応開始など、差別化を図っている。
競争激化の背景
NISA制度の恒久化と拡充により、個人投資家の裾野が広がっている。2024年から新NISAが始まり、非課税期間が無期限化、年間投資枠も拡大されたことで、若年層や投資初心者の参入が加速。証券各社は、この成長市場でシェアを獲得すべく、積極的な投資を行っている。
手数料引き下げ競争
両社は株式売買手数料や投信信託の保有コストを引き下げ、実質的なコスト競争を展開。特に、楽天証券は2024年10月から日本株の売買手数料を完全無料化し、SBI証券も追随。これにより、コスト重視の投資家が両社に流れている。
今後の展望
専門家は、NISA口座シェア争いは今後も続き、業界再編の可能性もあると指摘。両社は、単なる手数料競争から、資産運用アドバイスやライフプランニングなど、付加価値サービスの充実で差別化を図る必要がある。また、フィンテック企業の参入も予想され、競争環境はさらに厳しさを増すとみられる。
SBI証券と楽天証券の競争は、投資家にとって手数料低下やサービス向上というメリットをもたらす一方、証券業界全体の収益性を圧迫する可能性もある。今後の動向が注目される。



