秋葉原の中小企業サンコーが生み出す製品は、SNSで99万インプを記録しても1個しか売れないことがある。それでも同社は“ニッチ”を突き詰める。その迷品の数々を紹介しよう。
泡が出るハンディヘッドスパ「TeteMousse」
広報の四宮氏が開発に関わったのが、泡が出るハンディヘッドスパ「TeteMousse(テテムース)」(税込み1万2800円)だ。シャンプーが泡になって出てきて、頭皮ケアもできる。「ズボラだけど美髪ケアがしたい」という女性をターゲットにしている。
四宮氏は「個人的に欲しかったというか、『ヘッドスパマシンからシャンプーが泡で出てほしい』と社内で言い続けて、ようやく商品化されました。ただ正直、売れ行きは苦戦しています」と明かす。
見せる冷蔵庫「お部屋に自販機」
「お部屋に自販機」(税込み1万6800円)は、インテリアにもなる冷蔵庫だ。自販機のギミックを自宅で楽しめるが、入れられるのは350ml缶のみ。せめてペットボトルが入れば、もっと売れたかもしれないが、そもそものコンセプトが「推しドリンクを見せること」なので仕方がない。
「6缶ビール冷蔵庫」のこだわり
冷やす系の商品では、6缶パックがすっぽり入る「6缶ビール冷蔵庫」(税込み7480円)もある。本体をビールの色、フタ部分を泡に見立てるなど、デザインにもこだわった。
開発の背景は「ビール好きの社員が、『冷蔵庫まで取りに行くのが面倒くさいから、すぐ取れる場所に2杯目を置いておきたい』という思いで開発しました。350ml缶はもちろん、500ml缶もすっぽり入るサイズに設計しましたが、改めて見ると用途が限定されすぎですよね」という。
手元ですぐ冷えたビールを取り出せるのは便利だが、やはり用途は限られる。
製造数と売価のバランス
ニッチな商品を作るとなると、製造数や売価の設定が難しい。「やはり売価は製造原価に左右されるので、作りすぎないようにバランスをとるのが難しいですね。少ないものだと300個から、多いといきなり1万個作ることもあります。ただし、製造数が1000個以上になると自社の通販サイトだけではさばけないので、量販店さんでの販売戦略が必須になります」という。
後編では、同社の商品企画や開発の現場をさらに深掘りする。



