IHIインフラスクエアがルーマニア東部で手がけた「ブライラ橋」建設工事が、国土交通相の大臣表彰「JAPANコンストラクション国際賞」を受賞した。
この賞は、質の高いインフラの海外建設プロジェクトを表彰し、日本企業の海外進出を後押しすることを目的として2017年に創設された。
EU域内第3位の長大橋
ブライラ橋は欧州連合(EU)域内第3位の長さの長大橋で、約30年前の構想段階からIHIインフラスクエアが関わり、2023年7月に完成した。
古くから境界線として機能してきたドナウ川には、軍事的・政治的な問題が複雑に絡むことから橋梁が少ない。EU内の情勢が変化し、ルーマニア東部の主要都市であるブライラ市と対岸のトゥルチャ県を結ぶ国道整備の中核事業として橋梁建設が実現した。
共同事業体で設計・施工
IHIインフラスクエアが基本構想を示したのは約30年前で、その後の調整の結果、2018年に同社とイタリアの建設会社による共同事業体が設計から施工までを担うことになった。
IHIインフラスクエアの井上学社長は、個別の技術の組み合わせ方や将来の維持管理を視野に入れた提案力が強みだと強調する。
「ドナウ川の下流に近い場所で川幅が広く、これまでほとんど橋がなかった。EUとしてドナウ川に近代的な吊り橋を架けるという構想は約30年前から存在し、2000年前後、ルーマニアが日本のODA(政府開発援助)の支援対象国だった頃、計画の調査に参画した」
「その後、ルーマニアは経済成長を経てODAの対象から卒業し、EUに加盟した。15年頃になり、経済的側面だけでなく防衛上の観点からも、この地域に大型インフラが必要であるという議論がEU内で急速に高まった」
競合との差別化要因
競合の中国企業に対する強みについて、井上社長は「個別要素技術だけを見れば、技術力の優劣はほとんどない。ただ、我々が圧倒的に優位に立っているのは、個別の技術をいかに最適に組み合わせるか。現地の地盤や気候の状況を的確に把握し、最適な解を導き出す能力だ」と述べた。
さらに、「日本は橋梁の維持・管理の先進国だ。長年、国内で厳しい維持・管理の経験を積んでおり、設計や建設の段階から『将来いかにメンテナンスしやすくするか』という視点を盛り込める。このノウハウが決定的な強みだ」と語った。