「ひとりぶんの生活費は、何とかなる」――その油断がピンチを招く。定年専門FPが、家計に潜む罠とその回避策を伝授する。
落とし穴④ 突然の出費
「ひとりだから、とりあえず医療保険に入っておけば、あとは何とかなるだろう」という油断は禁物。保険でカバーしきれない突然の出費や、想定外の費用が発生するライフイベントにも備えておかなければならない。慶弔費や家電・家具の購入費もここに含まれる。
とはいえ、「いくらあれば確実に足りるのか」を予想するのは不可能。特に医療と介護に関しては個人差が大きく、いつ、いくらかかるか誰にもわからない。そこで、公的な統計データの平均値を参考に準備しておくのが一つの方法だ。
厚生労働省の「生涯医療費の推計(令和5年度)」によると、生涯にかかる医療費はおよそ3000万円で、そのうち約半分は70歳以降にかかる。平均寿命が長い分、女性のほうが100万円ほど多くかかる傾向にある。窓口で支払う自己負担額は1~3割に抑えられるが、それでも決して軽視できない金額だ。



