売れていても主力以外は手放す決断で売上倍増…奈良の玩具メーカーが長期目標を立てない意外な戦術
売れていても主力以外は手放す決断で売上倍増…奈良の玩具メーカーの戦術

奈良県吉野郡に本社を置く玩具メーカー・ヨシリツ株式会社は、主力商品以外は売れていても手放す決断で売上を倍増させている。同社は長期的な売上目標を設定せず、年次目標のみで成長を続けており、2023年度は前年比114%、2024年度は110%と売上を伸ばしている。

「奈良の山奥にこんな会社があったのか」

ヨシリツは、子どもから大人まで人気のパズルブロック「LaQ(ラキュー)」を製造・販売する企業で、1983年に代表取締役の吉條宏氏が創業した。1994年に発売を開始したLaQは、当初玩具店からまったく相手にされず、累積赤字8000万円を抱えた時期もあった。しかし、「自ら考えて組み立てる知育ブロック」というコンセプトが書店の客層に受け入れられ、現在は全国約3000店舗で販売。世界28カ国でも販売され、海外の玩具アワードを多数受賞している。2026年6月には経済産業省の『玩具産業企業20選』にも選ばれた。

「LaQ以外の商品」を手放したら売り上げが伸びた

同社はかつてLaQ以外にも複数の玩具商品を展開していたが、売れている商品でも主力以外は手放す決断をした。経営管理部・執行役員の河部勇氏は「主力以外は、売れていても手放す」と説明する。この決断により、リソースをLaQに集中させることができ、結果的に売上が倍増した。河部氏は「長期的な売上目標は、特にありません」と述べ、年次の売上目標のみを立てる方針を明かした。

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「知育玩具」のみで売り出しているつもりはない

LaQは「優れた知育玩具」として高い評価を得ているが、同社は「LaQは知育玩具という観点のみで売り出しているつもりはない」と強調する。河部氏は「誰かのマネには価値を感じない」と語り、独自の戦略で市場を開拓してきた。現在は保育園や学童でも採用されており、年1500作品が集まる「LaQ芸術祭」も開催されている。

奈良・吉野郡という立地が会社を覚えてもらうきっかけに

人口約1.5万人の奈良県吉野郡に拠点を置くことについて、河部氏は「奈良の山奥にこんな会社があったのか」と驚かれることが、かえって会社を覚えてもらうきっかけになると話す。同社は9名の「LaQハカセ」がファンを育てる取り組みも行っており、独自のコミュニティ形成が成長を支えている。

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