奈良県の玩具メーカー・ヨシリツが手がけるブロック玩具「LaQ」が、国内外で根強い人気を誇る。同社は「主力以外は、売れていても手放す」という大胆な決断で売上を倍増させ、長期目標を立てない独自の経営戦略で成長を遂げている。
集中と選択:売れる商品も手放す決断
ヨシリツ代表の河部氏は、LaQに全リソースを集中するため、他の売れ筋商品をあえて販売終了にした。結果として、LaQの売上は倍増。書店との関係構築や体験コーナーの設置、試作品の陳列方法など、すべての時間をLaQに注ぎ込んだ。
長期目標を立てない意外な戦術
河部氏は「長期目標を立てない」と明言する。その代わり、目の前の子どもが楽しむことを最優先。2026年5月には近畿日本鉄道の観光特急『青の交響曲』でLaQ親子体験ツアーを開催し、8月にも予定するなど、体験イベントを積極的に展開する。
知育玩具としての位置づけを超えて
LaQは「遊ぶと数学が得意になる」と評されるが、河部氏は「知育玩具という観点のみで売り出しているつもりはない」と語る。大学の研究でLaQ遊びが右脳・左脳を活発にすることが示されたが、エビデンスよりも子ども達の楽しさを最優先するという。
LaQハカセ(米屋さん)は、イベントで多くの子どもと接し、「空間認知能力や論理的思考力が育っている」と実感。子ども達が自ら挑戦し、その姿がSNSや口コミで拡散されることで、新たなファンを獲得している。
体験が生むリアルな情報拡散
「数字を追うより、まずは体験」が同社のモットー。子どもがLaQで遊び、イベントに参加することで得られるリアルな体験が、SNSや口コミで広がり、結果的に売上につながる。長期目標に縛られず、目の前の喜びを追求する姿勢が、世界で愛されるブランドを築いている。



