三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、グループ内に分散する複数のシステムを統合する次世代基盤への移行を進めている。この統合により、年間約400億円のコスト削減を見込んでおり、2028年度までに完了する予定だ。
システム統合の背景と目的
MUFGは、三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行など、グループ内に複数の銀行システムを抱えている。これらのシステムは個別に開発・運用されてきたため、維持管理コストが膨らみ、非効率な状態が続いていた。また、金融業界ではフィンテックの台頭により、迅速なサービス提供が求められており、レガシーシステムのままでは競争力の低下が懸念されていた。
そこでMUFGは、システムを統合し、共通の基盤上で運用することで、運用コストの削減と開発の迅速化を図る方針を打ち出した。具体的には、勘定系システムを中心に、複数のシステムを段階的に統合する計画だ。
年間400億円のコスト削減効果
システム統合により、MUFGは年間約400億円のコスト削減を見込んでいる。これは、システムの維持管理費や運用コストの削減に加え、開発の効率化による効果も含まれる。削減されたコストは、デジタル投資や新たなサービス開発に振り向けられる予定だ。
MUFGの亀澤宏規社長は、「システム統合は当社の成長戦略の要であり、競争力強化につながる」と述べている。
統合スケジュールと今後の展開
システム統合は段階的に進められ、2028年度までに完了する見込みだ。まずは、三菱UFJ銀行と三菱UFJ信託銀行のシステムを統合し、その後、グループ全体のシステムを統一する計画だ。
統合後は、新たなデジタルサービスやAIを活用した業務効率化など、先進的な取り組みを加速する方針だ。また、システムの標準化により、他社との連携やM&Aも容易になると期待されている。
金融業界におけるシステム統合の動き
MUFGの取り組みは、金融業界全体の流れでもある。メガバンク各行は、レガシーシステムからの脱却とデジタル化推進のために、システム統合やクラウド移行を進めている。みずほフィナンシャルグループも、2025年度までにシステム統合を完了する計画を発表している。
システム統合は、巨額の投資が必要となる一方、長期的にはコスト削減と競争力向上に寄与するとみられている。MUFGの取り組みが成功すれば、他の金融機関にも波及する可能性がある。



