三菱UFJ銀行の過剰融資とその後の厳しい取り立てにより「生存が脅かされている」として、主婦や会社経営者ら3人の債務者が国連人権理事会「ビジネスと人権に関する作業部会」に是正勧告を求める申し立てをした。3人および支援する弁護士らは7月9日に記者会見を開き、自宅の競売や預金口座の差し押さえといった債権回収の実態を明らかにした。
融資一体型変額保険の仕組み
申し立てをした3人とその家族は、1990年に三菱銀行(現三菱UFJ銀行)や生命保険会社の勧めで、相続税対策として「融資一体型変額保険」に加入した。この商品は銀行からの借入金で変額保険の保険料を一括払いする仕組みで、バブル期に販売された。契約者は借入により自宅などの相続財産評価額を引き下げ、相続税対策となるとして販売された。
当時のセールスでは「自己資金はいっさい必要ない」「1円もかからない相続税対策」などが売り文句だった。申立人らは、変額保険の運用益を含む死亡保険金で債務を完済できると説明を受けたという。
借金地獄と資産没収
しかし、株価下落で変額保険の運用が不振となる一方、借入金の高金利により債務は雪だるま式に増大。返済が困難になると、銀行は自宅の競売や年金受取口座の差し押さえといった強硬手段に打って出た。
今回申し立てたA子さん(69歳)は記者会見で「住み慣れた自宅を競売によって手放さざるをえなくなった」と窮状を明かした。1億2000万円の借り入れが利息で3倍に膨らんだケースもあるという。



