三菱重工株急落、ガスタービン事業の成長とアフターサービス拡大がカギ
三菱重工株急落、ガスタービンとアフターサービスがカギ

株価急落と過去最高益の矛盾

三菱重工業の株価は2026年3月2日に上場来最高値の5208円を記録し、同日のPER(株価収益率)は52倍を超えた。しかしその後、株価はじりじりと下落。6月23日の終値は3742円となり、PERは30倍超の水準に低下している。この急落は、市場が同社の持続的な成長に疑問を抱いていることを示唆する。

一方で、5月12日に発表された2025年度決算は過去最高を更新。事業利益は前年度比22%増の4322億円、当期純利益は同35%増の3321億円を達成。ガスタービンや製鉄機械、原子力、防衛事業が牽引役となった。

豊富な受注残と今後の見通し

2026年度の見通しはさらに明るい。事業利益は5400億円、純利益は3800億円まで拡大する見込みだ。2025年度末の受注残は売上高の約2.7倍にあたる13兆2376億円に達し、今後2〜3年の収益を確実なものにしている。

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東洋経済の記者、森創一郎氏は「26年度〜27年度は豊富な受注残を消化するフェーズに入る。ITO(全体最適と領域拡大を図る経営方針)も浸透し、会社四季報は27年度も売上高5兆7000億円、事業利益5700億円の増収増益を予想している」と指摘する。

ガスタービン事業の成長とアフターサービス

焦点はガスタービン事業の成長だ。三菱重工は世界のガスタービン市場で高いシェアを誇り、特に大型ガスタービンでは競合他社をリードしている。しかし、新規販売だけでなく、アフターサービス(メンテナンスや部品交換)の収益性向上が今後の利益拡大の鍵を握る。

アフターサービスは安定した収益源であり、利益率が高い。三菱重工はサービスのテコ入れを進めており、デジタル技術を活用した遠隔監視や予知保全サービスを強化。これにより、顧客の稼働率向上とコスト削減を実現し、自社の利益率を押し上げる戦略だ。

市場では、アフターサービスの拡大が利益率をどこまで押し上げられるかが注目されている。現在のPER30倍超は割高感もあるが、成長性を評価すれば妥当との見方もあり、今後の業績次第で株価は再び上昇する可能性がある。

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