AI時代もマーケティング実務は社内調整が9割、プロが語る3つの理由
AI時代もマーケ実務は社内調整が9割、プロが語る3つの理由

デジタルマーケティングの実務では、AIがどれだけ普及しても社内調整が9割を占める――。WACUL代表取締役の垣内勇威氏はそう言い切る。その理由として、顧客視点を持たないチームの存在や、社内調整が評価されにくい「地味」な仕事であることなどを挙げる。

顧客視点の欠如が生む「思い込み」

垣内氏は、Webサイトの改善を提案した際に「トップページ上部にお問い合わせボタンを置くと、営業色が強くなりすぎて、自社の高級なブランドイメージに傷がつく」と真顔で反論された経験を笑い話として紹介する。顧客調査を見れば、ユーザーがそのボタンから営業っぽさを感じることはなく、デザインの変更がブランドイメージに影響を与えないことは明らかだという。

このように顧客視点を持たないチームは、各自の思い込みで好みを押し通すことに躍起になり、「正解」を認めようとしない。デジタルマーケティング施策の多くは顧客からのフィードバックが目に見えづらいため、自然に方向性が是正されることもないと指摘する。

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社内調整にネガティブな印象を持つ理由

「社内調整」という言葉にネガティブな印象を持つ人は多い。第1の理由は、これが本当に面倒な仕事だからだ。意見の異なる人々と向き合い、相手を知り、仲良くなり、意見を伝え、妥協点を探し、有利な条件になるまで交渉を続けなければならない。欧米的な価値観を持つ人なら徹底的に議論することもいとわないかもしれないが、日本人の多くは意見が異なる時点で関わりたくないと思うのが本音だろう。時間がかかるうえに、精神的にも多大なストレスを受ける仕事だという。

第2の理由は、なかなか評価されない「地味」な仕事だからだ。社内調整をしている間、施策は前に進んでいない。連日の会議や飲み会、ゴルフなどのコミュニケーションが調整に必要でも、その時間が正当に評価されることは稀で、成果を調整してもらった側の部門が手柄として横取りすることも多いという。

社内調整を支える「変わり者」の存在

それにもかかわらず社内調整に奔走する担当者は、社内でも特に熱量と人徳を兼ね備えた「変わり者」であることが多く、彼らのボランティア精神によって会社が支えられていることが多いと垣内氏は指摘する。社内調整を軽んじてしまえば、どんな戦略も実現できないというのがその主張だ。

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