買収価格の応酬激化、3384円に
カカクコムを巡る買収合戦が激しさを増している。欧州投資ファンドのEQTと、米ベインキャピタルと連合するLINEヤフーが互いに買い付け価格を引き上げ、7月1日にはLINEヤフー・ベイン連合が1株当たり3384円という正式提案を提示した。これは当初のEQT提案(2300円)から約47%の上昇に相当する。
LINEヤフー元首脳の本音
LINEヤフーの元首脳は「カカクコムを本気で欲しい。カカクコムには『食べログ』がある。われわれは日常利用、つまり毎日使うサービスにこだわっている会社だから」と述べ、買収への強い意志を示した。同社は日常利用を重視しており、グルメサイト最大手「食べログ」の獲得がAI時代の競争力強化に不可欠と見ている。
EQTとの攻防の経緯
EQTがカカクコムに非公開化を含む買収提案を行ったのは4月23日。その後5月12日、EQTは5月13日から7月2日までのTOB(株式公開買い付け)を発表し、カカクコムも賛同した。しかし5月7日にLINEヤフー・ベイン連合が3000円を提案したことで状況が一変。EQTはTOB価格を3000円に引き上げたが、LINEヤフーは即座に3232円に引き上げ、さらに7月1日には3384円を提示した。
LINEヤフーの提案には、大株主KDDIの協力を得られれば最大3500円にする条件も含まれている。これを受けカカクコムは7月2日、EQTへの応募推奨を撤回し、EQTに価格再引き上げを要請。EQTはTOB期間を7月16日、さらに7月22日まで延長したが、価格改定は行っていない。
背景にある30年前の因縁
今回の買収合戦には30年前の因縁が関係している。LINEヤフーの前身企業とカカクコムは過去に何らかの競合関係にあり、今回の動きはその延長線上とも言われる。LINEヤフーはポータルサイトや検索事業で培ったデータと、食べログのグルメ情報を組み合わせ、AI時代のパーソナライズサービスを強化する狙いだ。
今後の展望
EQTが価格を再引き上げするか、あるいはLINEヤフーがさらに条件を改善するかが焦点となる。カカクコムの株主は高い買収価格を求めており、両陣営の駆け引きは続く。LINEヤフーは「日常利用」を軸に、食べログを中核としたサービス拡大を目指しており、買収が実現すれば日本のインターネット業界の地図が大きく変わる可能性がある。



