帝国データバンクが7月16日に発表した「主要レジャー施設(テーマパーク)価格調査」によると、2026年に入場料などのチケット料金を値上げする施設は、調査対象191施設のうち50施設(約26%)にとどまった。前年の71施設(37%)から約3割減少したものの、人件費や電気代の上昇を価格に転嫁する動きは続いており、ハイシーズン料金を別途設定する変動料金制の導入も進んでいる。
テーマパークは約3割が値上げ、動物園は増加
施設ジャンル別にみると、テーマパーク(遊園地を含む)では対象101施設のうち32施設がフリーパスを含むチケット代を値上げした。2025年の51施設から大きく減少したものの、依然として約3割のテーマパークで価格改定が行われた。水族館では7施設が値上げし前年から減少した一方、動物園では11施設が値上げし前年から増加した。
一般券平均1768円、フリーパスは初の5000円超え
価格改定前後のチケット料金を比較すると、2026年のレジャー施設全体の一般券(入場料)平均価格(大人1名)は1768円となり、2025年の1697円から4.2%(71円)上昇した。金額の上昇幅としては2022年の調査開始以降で最高となった。一方、遊園地・テーマパークで多く導入されているフリーパスの平均価格(最高額)は5033円で、前年から3.2%(158円)増加。調査開始以来初めて5000円を超えた。値上げ幅は3年ぶりに100円台にとどまり、急激な上昇ペースからは一服感もみられる。
水族館の一般券が最も高額、動物園は低額維持
施設ジャンル別の一般券平均価格では、水族館が2202円で最も高かった。餌代や電気代、水質維持などのエネルギーコストの影響を受けやすく、2022年以降の値上げ率は34.6%(1636円→2202円)と全施設で最大。ただし、大幅な価格改定が相次いだ2023年以降は小幅な上昇にとどまり、2026年の上昇幅は44円(2.0%)増と全ジャンルで最小だった。テーマパークの入場料は1728円で前年から106円(6.5%)増加。動物園は1473円と最も低く、2022年の1283円から1割超の値上がりとなったものの、テーマパークや水族館に比べ値上げの伸びは緩やかだった。動物園は自治体・公営運営が多く公共サービス色が強いため、値上げに対する利用者の反発が大きく、値上げ幅が少額にとどまるケースが目立つ。
変動料金制の導入拡大、平均価格差は2.8倍に
一般券とフリーパスの平均価格差は、2022年の2571円(2.7倍)から2026年には3265円(2.8倍)に拡大した。ダイナミックプライシング(変動料金制)の導入が確認できた施設は、対象191施設のうち少なくとも32施設に上る。5月のゴールデンウイークや夏休みなどのハイシーズン料金、土日祝日料金のほか、追加料金で待ち時間を短縮するチケットも登場している。
「気軽に買えない」価格設定、付加価値訴求がカギ
帝国データバンクは調査結果について、「値上げがモノからサービスへ波及し、花火大会などコト消費にも一部有料化やプレミアム化が急速に進んでいる」と分析。レジャー施設でも電気代や人件費の上昇を反映した値上げに加え、変動料金制の導入・拡大が普及している。一方で、こうした施策は集客力の高い一部施設に限られ、特にテーマパークのフリーパスは2022年比で約23%高くなり、家族4人で来場した場合の負担増加額は数千円規模に達するなど家計の負担が重くなっている。物価上昇に賃上げが追いつかず家計の実質購買力が低下する中、大幅な価格改定が来場者減少リスクを招く可能性も指摘。実際に「若者のテーマパーク離れ」に代表されるように、若年層の高額価格に対する来園意欲の減退や、価格期待値とのズレからコアファンや既存顧客のリピート率低下もみられる。
2026年以降も値上げ続く、柔軟な価格戦略が問われる
帝国データバンクは「2026年以降もレジャーチケットの価格は値上げの動きが続く」と予想。ただし、これまでの一律的な値上げではなく、付加価値の高いチケット種別の拡充や変動料金制、訪日外国人向け料金の導入などを通じて収益を確保するなど、「どのような価値なら利用者が対価を支払うのか」を考慮した柔軟な価格戦略が問われる局面に入ったとしている。



